2月23日、令和になって最初の「天皇誕生日」。
天皇陛下には、この日、60歳になられた。
陛下のお誕生日を心からお祝い申し上げる。今年の一般参賀は新型肺炎感染の恐れから、やむなく中止になった。
残念ではあるが、極めて妥当な宮内庁当局の対応だった。陛下は、初めてお誕生日に際しての記者会見に臨まれ、
ご自身のお考えを率直にご披瀝(ひれき)下さった。「この(即位以来の)10か月の間に、最も印象に残っている
ことの一つに、都内や地方での諸行事や諸儀式の際などに、
多くの方々から、温かい祝福の声を寄せていただいたことが
挙げられます。
…そうしたお一人お一人の声に支えられて今日を迎えることが
できていると感じています」「日本国及び日本国民統合の象徴としての私の道は
始まってまだ間もないですが、たくさんの方々からいただいた
祝福の気持ちを糧(かて)に、上皇陛下のこれまでの歩みに
深く思いを致し、また、歴代の天皇のなさりようを心にとどめ、
研鑽(けんさん)を積み、常に国民に寄り添いながら、
象徴としての責務を果たすべくなお一層努めてまいりたいと
思っております」「このような変化の激しい時代にあって、社会の変化や
時代の移り変わりに応じた形でそれに対応した務めを考え、
行動していくことは大切なことであり、その時代の皇室の
役割でもあると考えております。
そのためにも、多くの人々と触れ合い、直接話を聞く機会を
大切にしていきたいと考えています」「現在、男性皇族の数が減り、高齢化が進んでいること、
女性皇族は結婚により皇籍を離脱すること、といった事情により、
公的に活動を担うことができる皇族は以前に比べ、
減少してきております。
そしてそのことは皇室の将来とも関係する問題です。
ただ、制度に関わる事項については、私から言及することは
控えたいと思います」「即位の年齢については、歴代天皇の中では、より高齢で
即位された天皇もおられますが、還暦を迎えるのに当たっては、
もう還暦ではなく、まだ還暦という思いでおります」「今回のオリンピック・パラリンピック競技大会を通して、
特に若い人たちに、世界の人々への理解を深め、平和の尊さを
感じてほしいと願っています。
…パラリンピック競技大会を通じ、障害者スポーツへの理解が進み、
障害を持つ方々にとって励みになるとともに、障害を持つ方々を
めぐる社会の在り方の可能性についても、社会全体で更に目を
向け、理解と協力の輪を広げる良い機会になることを
期待しております」ー銘記したい。
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