昨日、河野防衛大臣は中東地域への自衛隊派遣を命じた。
多くの自衛官は、「いま我々が行かなくて誰が行く」と
使命感に燃えていると思う。
私自身もまた、緊張が高まっている地域だからこそ
自衛隊が行く意味があると考えている。
原油や天然ガスなど、日本にとって必要な資源を運ぶ
タンカーを、危険だからといって放置するのは
主権国家としてあるべき姿ではないからだ。
ただし、これに賛成する与党も、反対する野党も、
欺瞞から目をそむけてはダメだ。
現状では自衛隊を派遣するしかないのだけど、
その自衛隊は「軍隊」として万全の体制にあるわけではない。
何度も繰り返すが、法的根拠が自衛隊設置法の
「調査・研究」でしかないからだ。
海上警備行動だって、できることは限られている。
それもこれも、自衛隊が軍隊として規定されていないからだ。
そのために自衛官個人の命がかえって危険に
さらされることもあり得る。
彼らは黙々と任務を遂行するだろう。
政治家の不作為は、一人ひとりの自衛官の
崇高な使命感と犠牲的精神によってのみ支えられている。
だったら、せめて守るに値する国になろうと努めるのが
政治家の良心ではないのか。
自衛隊を「戦力」であると規定し、それをコントロールする
力量を持ち、国民の理解を得るために真正面から議論して
みせるのが、政治家の務めではないのか。
安倍首相は、自衛隊明記の加憲案などでお茶を濁すべきではない。
安倍首相も河野防衛大臣も、「今の憲法では君たちを
危険にさらすことになるが、きっとこれを変えてみせる。
君たちを一人前の軍隊にするよう尽力する。
だから今は涙を呑んで行ってくれ」と言わなきゃウソだ。
反対する野党も野党で、「国際社会からどう見られるか」などと
世間体を気にした日本人的思考で反論していていいのか。
自衛隊は軍隊としての機能が整っていない、不備があるからこそ
危険なのだと言わなければ、説得力を持たない。
そうでなければ、どんなに言葉を連ねようと、
「日本関係船舶など見捨てて良い」と言っているのと
同じではないだろうか。
どちらも、主権国家として機能不全に陥っている現状を直視せよ!
BLOGブログ
自衛隊=警察の延長線上の組織次の記事へ