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高森明勅
2020.1.2 06:00皇室

新年祝賀の儀

1月1日、宮中(皇居・宮殿)で「新年祝賀の儀」が行われた。
この儀式によって、天皇陛下が「日本国の象徴」であられるべき規範を
毎年、年の初めに確認している。
その主な中身は以下の通り。

①首相をはじめ三権の長とその関係者から順次、祝賀をお受けになる。
②各国の駐日大使夫妻から順次、祝賀をお受けになる。

①によって、「天皇」という地位が三権の長より“上位”(つまり国家秩序の頂点)
にある事が、可視的に確認できる。
次に②は、対外的に我が国を“代表”するのが(首相やその他の者ではなく)
「天皇」である事を示す。

この両者を兼ね備えるのは、まさに「日本国の象徴」以外の何者でもない。
憲法7条に国事行為を列挙している。
その中に「儀式を行ふこと」(10号)という項目がある。
だが、毎年行われる恒例の単独行事としての「儀式」は、実はこの新年祝賀
の儀だけだ。
それだけ重要な行事なのに、その意味がよく理解されていないのではあるまいか。
ちなみに1月2日の「新年一般参賀」は、「国民統合の象徴」としての行事だろう
(天皇誕生日の一般参賀も同じく)。

【高森明勅公式サイト】
https://www.a-takamori.com/

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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