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高森明勅
2019.12.22 06:00皇室

「万世一系」という語の由来

大日本帝国憲法の第1条に以下のようにある。

「大日本帝国ハ万世一系ノ天皇之(これ)ヲ統治ス」と。
これにより「万世一系」という語が一般に広まる。

しかし、意外と新しい言葉のようだ。
憲法の起草に当たった井上毅(こわし)が、その方面の専門家(小中村義象)
に調査させたところ、日本の古書にも漢籍にも見えない、と報告があったという
(島善高氏)。

これまで知られているところでは、岩倉具視が慶応3年(1867年)の
「王政復古議」の中で使ったのが最初らしい(阪本是丸氏)。
ひょっとしたら岩倉の造語かも知れない。
勿論、言葉自体は新しくても、それに該当する「思想」がそれまで
無かったとは即断できない。

【高森明勅公式サイト】
https://www.a-takamori.com/

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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