寝しなにフロイトとユングに関する講義を聞いたけど、
精神分析学って、突き詰めれば「自己分析のススメ」
になっていくのじゃないかなと思った。
フロイトは、「ナルシシズム」「エディプスコンプレックス」
などを提唱した人だけど、本人が父親に対する猛烈な苦悩を
持ち、ノイローゼだったようだ。
アダムとイブの世界観にはまっている人でもあるから、
全体が「男性の心理」になっているのもなるほどなと思う。
ユングは、今でいうところの統合失調症で、それを自力で
乗り越えるために、自分の思う「世界」の姿を何度も絵に
描いてみた結果、それと同じものが東洋に「曼陀羅」として
既にあることを知って衝撃を受けたそうだ。
どちらもぎりぎりまで自己分析を突き詰めていったところに、
普遍性を発見したり、体系的な学問の流れができていった
ということなんだろう。
体系的なものを否定する気はぜんぜんないけど、
ただ、ある程度まではそこから学べるとしても、
やはり人間は、時代や新しい文化によって影響を受けたり、
それぞれの社会での傾向が出たりすると思うから、
「フロイト様」「ユング様」という権威だけを掲げていたら
現実とはズレてくる。
権威主義的な傾向が見られる精神科医って、要注意だ。
これはほかの世界でも同じだと思うけど、
やっぱり
「自分自身こそを、現在の世界と対面させて考えなさい」
というのが本当の学びどころだと思うし、
それが過去から学んで、現在に立って、未来へ踏み出す力に
なると思う。
せっかくエネルギーを使って過去を見ていても、
それが「過去に居座ること」を目的としている場合もあって、
それでは、成長できないからもったいない。
ずっと未熟でいたい、未熟でいるためにエネルギーを使うんだ
ってことならしょうがないけど、
未来へ向かって成熟していくことにエネルギーを変換したほうが、
勇気が出せるし、明るくって面白い。