近頃、「皇位の安定継承」を巡り、継承順位を変更するのは「廃嫡」だ、
という不正確で感情的な発言が一部の論者から出ている。しかし、廃嫡というのは、既に継承者としての地位が決まっていながら、
それが変更される場合に当てはまる言葉だ。
つまり、具体的には「皇太子」がおられる場合。
その時に継承順位が変更されれば、畏れ多いが、歴史上の用語で言えば
「廃太子」ということになる。しかし、今の皇室には皇太子はおられない。
秋篠宮殿下はあくまでも「皇嗣」でいらっしゃる。
その事実を誰よりも深く自覚しておられる秋篠宮殿下は、宮中祭祀にあくまでも
一皇族として「参列」される(殿内にお入りにならない)ことで、自ら“一線”を
画しておられる。皇嗣は繰り返し指摘してきたように、(次の天皇たるべき皇太子とは違い)
巡り合わせでその時に継承順位が1位の方を指す。
条件次第で順位の変更はあり得るし、その場合も「廃皇嗣」などと呼ばれる
ことはない。「廃嫡」論は、主に悠仁親王殿下の順位変更を念頭に置いているようだ。
しかし、悠仁殿下の場合は、継承順位が必ずしも確定的ではない皇嗣の、
更にお子様でいらっしゃる。だから、たとえ順位変更があったとしても、この言葉には当てはまらない。
非礼かつ不穏当な言葉遣いは慎むべきだろう。【高森明勅公式サイト】
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