『泥にまみれて』を読み終わったら、
有吉佐和子の『出雲の阿国』を再読したくなった。
でも、どうやら引越した時に処分した本の束に入っていた
みたいで、探したけど見つからなかった。
あれは、出雲阿国が歌舞伎で天下一になったことで、
歌舞伎のパートナーで最愛の夫だった名古屋山三と
別れることになるところが、激しく感動するんだな。
『泥にまみれて』も『出雲の阿国』も初出は
婦人雑誌での連載だったようだ。
私はたまたま70年代の画家や写真家の作品が好きで
いろいろ集めた時期があったので、
金子國義が表紙を描いていた70年代の『婦人公論』も
何冊か持っているのだけど、
昔の『婦人公論』って今のと全然違ってすごく分厚くて、
哲学思想、芸術論、政治までびっしり論考が掲載されて
いるんだよね。
手前の鉛筆と比べて、分厚さ、わかるでしょうか。
もちろん婦人雑誌に限ったことじゃなくてさ。
こんな分厚い婦人誌が出版されていても、
いまの私が買うかというと……。