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小林よしのり
2019.10.9 10:52日々の出来事

表現の不自由には個で戦え!

昭和天皇の写真を燃やすのはよっぽど昭和天皇が憎い
のだろうし、天皇制反対の奴なんだろう。
ヘイトと言えるかもしれないが、昭和天皇を個人として
捉えず、悪しき制度の象徴と捉える左翼ならば、燃やす
のもアリと考えるかもしれない。
とんでもない馬鹿だが、それを妄信していれば、そんな
表現も出てくる。

慰安婦少女像は複製品が大量に世界に出回って、反日
プロパガンダに使用されてるのだから、神妙に見て
感心するような作品ではないのに、それを神妙に見る
べき芸術作品に仕立て上げたい左翼バカがいるのだろう。
慰安婦の実態を何も知らぬ馬鹿が、水木しげるが描いた
漫画に影響されて、慰安婦は地獄だったはずだと解釈
するくらいだから、人間というものを知らぬ中二病の
左翼につける薬はない。

産経新聞から見れば「反日ヘイト」だが、朝日新聞から
見れば「芸術」になるのは、イデオロギーが真反対
だから、どうしようもない。
イデオロギーの衝突になっていて、純粋に表現の価値を
問う批評など、どっちの陣営にもない。

あいち甘えんターレの展示物は、わしの目から見れば
クソ表現だが、しかし、そのような表現を日本から消滅
させるべきだとは、わしは思わないのである。

わしの態度としては、歯を食いしばって無視するか、
猛然と批判するかの、どっちかである。
わしは「表現の自由」は最大限に幅広く認めるべきと
いう立場を選ぶ。
それが民主主義の要諦であり、人間の創造力の動機に
なると考えている。
中国や北朝鮮のように、ある種の表現を根絶する立場
には、わしは立たない。

公金を使って自分の作品を展示すべきだという考えは、
さすが、あいち甘えんターレの主旨に合っており、
甘えと傲慢の左翼どもが考えそうなことである。
どいつもこいつも「個」が弱い。
表現は、抗議が来ようと、公金をストップされようと、
表現媒体に排除されようと、カルト団体から暗殺され
そうになろうと、国家が弾圧してこようと、自分で
守るしかない。

小林よしのり

昭和28年福岡生まれ。漫画家。大学在学中にギャグ漫画『東大一直線』でデビュー。以降、『東大快進撃』『おぼっちゃまくん』などの代表作を発表。平成4年、世界初の思想漫画『ゴーマニズム宣言』を連載開始。『ゴーマニズム宣言』のスペシャル版として『差別論』『戦争論』『台湾論』『沖縄論』『天皇論』などを発表し論争を巻き起こす。
近刊に、『卑怯者の島』『民主主義という病い』『明治日本を作った男たち』『新・堕落論』など。
新しい試みとしてニコニコ動画にて、ブロマガ『小林よしのりライジング』を週1回配信している。
また平成29年から「FLASH」(光文社)にて新連載『よしりん辻説法』、平成30年からは再び「SPA!」(扶桑社)にて『ゴーマニズム宣言』、「小説幻冬」(幻冬舎)にて『おぼっちゃまくん』を連載開始し話題となっている。

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