ライジングの原稿をまとめ終わったら、なんてこった!
阪神タイガースが土壇場の中の土壇場で3位に上がって
クライマックス・シリーズに参戦してきたやないかい!
まじか。ベイスターズ、めっちゃ阪神に弱いんだよね。
んむむむ。でも阪神は好きだから楽しみだ。
ひと月ほど前、講談で赤穂義士伝の『徳利の別れ』を聞いて、
感動して震えてしまった。
吉良邸討ち入り前夜の赤穂浪士たちそれぞれの姿を描く中の
ひとつだけど、いつぞやの正月ドラマの忠臣蔵では、
船越英一郎がそのシーンをやっていてさ。
でもそれとはまた違う別れの世界観が見事に語られていて、
すごく良かった。
そこからやたら寝しなに時代モノを見るようになって、
昨日、長谷川一夫バージョンの『残菊物語』を見たんだけど、
これがまた打ち震えて号泣してしまった。
ろくな芝居もできないのに、ただ義父・尾上菊五郎の七光りで
人気を得て調子にのっていた二代目尾上菊之助が、
はじめて自分の芝居を批判した女中のお徳と恋に落ちるのだけど、
名跡・菊之助と女中との結婚は許されず、大阪へ駆け落ち。
その後、大変なド貧乏のドサまわりをして菊之助は芸を磨き、
ようやくもとの舞台に立って実力を評価されるのだけど、
それまでさんざん苦労して菊之助に尽くし、支えてきたお徳は、
自分の立場をわきまえて菊之助の元から去ってしまう。
彼は歌舞伎の名跡、私は女中、身分が違う…と。
20代くらいの私だったら、えーっ、信じられない、
尽くすだけ尽くして別れさせられるなんて、なんてことだー!
と思うだけだったかもしれないけど、
お徳が別れを覚悟したのは、尾上菊之助を自分がひとり占めして
芸をうずもれさせてはいけないからだということがわかるシーンで、
お徳の凄さにぐおおおっとこみ上げてきた。
あとはただただ、かわいそうでカワウソーで……。
最後の菊五郎と菊之助の連獅子のシーンは、大号泣でござった。
この映画、簡単に「男尊女卑だ!」ってとがめたらアカンやつや。