『週刊東洋経済』が今週は「天皇と日本史」という
特集号になっていて、へえと思い少し読んでみたら、
小林よしのり先生の「伝統と因習を履き違えるな」
というコラムが載っていた。
男系固執派はこのコラムを読んでどう思うんだろう。
天皇陛下や上皇陛下のご意向を無視して、男の血筋を
を愛する人たち……。
ヤバすぎるというか、気持ちが悪いよ、本当に。
特集では、過去の天皇についてそれぞれ専門の学者が
書いているのだけど、
光格天皇の話は、ほぼ知らなかったので面白く読んだ。
母は浪人、町医者の娘で、天皇になるはずのない傍系の
王子・9歳の兼仁が、深刻な皇統断絶の危機を迎えて、
青天の霹靂で皇位につくことになり、
学問や和歌、音楽などを一生懸命に身につけながら、
朝権回復のためにちょっと無理もしながら力いっぱい
取り組んでゆき、復古、復古で権威を盛り上げる。
そしてここから明治維新へとつながっていく。
白河天皇と院政の話も面白かった。
現代は「院政」と言えば、
「岸田を総理にして安倍が院政を敷く」というような、
良くないイメージとして使われがちで、
私も無条件にあまり良い印象を持っていなかったけど、
院政の時代から明治維新に至るまでの天皇というのは、
常に内乱や武家政権との対峙に翻弄されていて、
その権威は脅威にさらされ続けていた。
この時代のなかでは、院政は、生き延びるための力を
確保しておく柔軟な体制でもあったのではないかという
論考。
少し前まで、ご譲位に際して、
「院政が~! 南北朝の再来が~! 二重権威が~!」
みたいなことを言って反対していた人たちがいたけど、
時代が全然違うじゃん、と。
現代の感覚や、自分の知っている範囲のものに囚われず、
その時代の背景を理解して「こんな情勢だったのか」と
思いを馳せながら、過去の出来事や、当時の人物の行動
を学ぶという姿勢は、あらゆる日本の問題に対して、
とても大事なものだと思う。