6月30日、アメリカのトランプ大統領と
北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が急展開で、
朝鮮半島の軍事境界線にある板門店で首脳会談を行った。
国家のトップ同士の会談としては極めて異例。
いかにもトランプ氏らしい、
アメリカ国内向けのアピール効果を狙った、
底の割れたパフォーマンスに過ぎまい。
だがこれによって、安倍首相が議長を務めた大阪での
G20サミットは、たちまち影の薄いものになった。しかも、今回の会談が北朝鮮の存在感を一層、
際立たせる結果になったのは、疑いない。
世界最大の軍事大国アメリカですら、
北朝鮮をもて余している姿が国際社会に晒されてしまったからだ。
先頃、中国の習近平国家主席が北朝鮮を訪れたばかり。
その前に金氏は、ロシアのプーチン大統領とも会っている。
このところ、北朝鮮は首脳会談ラッシュと言って良いような状態。
そんな中で、拉致被害者の帰国という悲願を抱え、かつ
核・ミサイルの脅威に最も間近で直面している日本だけが、蚊帳の外だ。最近まで「対話ではなく圧力」と強調していた安倍首相が、
手のひらを返し、大幅に譲歩して、「前提条件無し」(つまり無条件)で
“対話”を求めても、すっかり足元を見られて、はかばかしい反応は無い。北朝鮮のGDPはわが国の僅か百分の一程度の規模とされる。
にも拘らず、日本の“保護者”アメリカと「タメ口」の付き合いをして
日本を見下し、歯牙にもかけない。
今のままなら、アメリカとの合意を背景に、北朝鮮が核・ミサイル
という日本への脅威を温存しつつ、拉致被害者の帰国も満足に実現
しないまま、日本が“歴史の清算”などを名目に巨額の資金をむしり
取られる悪夢が実現しかねない。【高森明勅公式サイト】
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