全国の幅広い国民の祝福のうちに新しい御代(みよ)が幕を開けた。
ブラジルのテレビ局のインタビュー収録を皇居・二重橋周辺で行った。
熱心にお祝い申し上げる様子は、ちょっと予想を超えていた。
しかも、上皇陛下の30年余りのご献身を、国民は肌で感じている。
私はこの日、テレビ東京のスタジオで「剣璽等承継の儀」と
「即位後朝見の儀」を拝見しながら、正午まで解説した。
即位後朝見の儀で、天皇陛下がおことばを読み上げられた時のお声は、
お気持ちが籠もり、実に力強かった。
ご移動の車中での皇后陛下の輝くような笑顔が印象的だった。
実は他局から、時間帯が重なる番組への出演依頼があった。
その後、AbemaTVの「AbemaPrime」に出演する予定だったが、
直前に「企画内容の変更」を理由に出演しない事になった。
ところが実際に放送された内容は、私が依頼された時のテーマと大きく
以前、一度だけ急に出演依頼が取り消された事があり、
だが、事実とは違う説明でキャンセルされたのは初めて。
業界に詳しい人も、そんな例は余り聞いた事が無いとか。
テレビ東京が用意してくれた車でそのまま再び隠れ家へ。
たまたま日本に帰っている長女と合流し、一緒に夕食を食べた。
新元号初日に、海外に嫁いだ娘と2人だけの夕食というのも、乙なものだ。
車中、座席に座っていると、目の前に若いカップルが立った。
「お前もさぁ、上皇さまを見習って相手の立場というものを…
上皇后さまへの思いやりなんて半端じゃないだろう」とか、
やたら“上皇さま”を乱発していた。
どうやらお1人は昼間、メーデーの集会に参加していたらしい。
「今日は集会の会場がガラガラよ。全然参加していないの」
「だって、アレでしょう。新天皇の即位があってさぁ。
そちらに行きたい人もいるから、組合も自由参加にしたのよ」
「だって無理やり動員かけたら、かえって反発があるでしょ。
だから自由参加にしたら、みんなそっちの方(皇居やご移動の沿道?)
に行っちゃって」
この日はあちこちで、こんな話題が自然に飛び交ったのだろう。
令和の御代が素晴らしい時代になるよう、国民として微力を尽くそう。