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高森明勅
2019.4.28 14:50皇室

重大事件

御代替(みよが)わりを控える4月27日、
秋篠宮家の悠仁親王殿下が通われるお茶の水女子大学付属中学校の
悠仁殿下の机の上に金属棒に固定された刃物が見つかるという事件があった。

殿下のご恐怖はいかばかりか。
これは単なるイタズラでは済まない重大事件。
一体、警備態勢はどうなっていたのか。
改めて言う迄もなく、今の皇室典範のルールでは、
皇太子殿下と秋篠宮殿下の次の世代で唯一(!)、
皇位の継承資格を持たれる皇族だ。

畏れ多い話ながら、その悠仁殿下に万一の事があれば、
そのまま皇室の存続に関わる。
まさに国家の一大事。
殿下のご安全に対する警備関係者の認識が甘過ぎたのではないか。
大失態と言わねばならない。

速やかに犯人を逮捕しなければ、
更に事件をエスカレートさせる可能性もある。
今後、当然、警備の格段の強化が図られるべきだ。

その上で、皇位の継承資格者が異常に少ない現状の“危うさ”を、
改めて自覚する必要がある。
こうした現状では、たった一件のテロだけで致命的な事態を招きかねない。
つまりテロの“効果”が殆ど無限大に大きくなる。
このような状況はテロを誘発しやすい。
この点からも、皇位の安定的な継承に向けた
制度改正を急がねばならない。

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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