書店に行くと、美智子皇后の素敵なお写真が表紙になった
ムック本が何種類も並べられていて、つい目を奪われる。
かれこれ19年来の付き合いになる知人は、
いつもレコードと写真とコムデギャルソンの話ぐらいしか
しなかったのに、最近よく皇室の話をするようになった。
平成を特集する番組で、天皇皇后両陛下のご公務の姿を改めて
振り返ったそうで、
「すごすぎる」「ただただ尊敬しかない」
と言っていた。
政治家がおためごかしに顔を見せるのとは全く質が違うことが
伝わってくるし、これだけずっと継続して積み重ねられてきた
ことは、「感動的」なんて簡単な表現では言い表せない、と。
「佳子さまは俺が守りたい」
と、よくわからないことも言ってたけど。
この彼が最近、夜、皇居の近くを歩いていたら、警官に止められて、
皇后さまがお通りになるのでお待ちくださいと言われたという。
結構な人だかりができていて、わくわくしながら待っていたら、
ついに黒塗りの車列が。
「すごいんだよ、辺りは真っ暗なんだけどさ、
もうね、100メートルぐらい向こうから、
信号待ちしている黒塗りの車の後部座席がパアアアーッと
輝いてるのがわかるんだよ!
それが目の前を通り過ぎていったんだけど、神々しすぎ。
車ごと後光が差すんだよ? 俺、感動しちゃったよ。
美智子さまの姿はまったく見えなかったけど」
ほんまかいな。
見てたのは護衛の車だったりして。
でもそのぐらい皇后陛下への畏敬の念が高まっている、彼の
心情があるということだ。
平成を通して思い出される「皇室」と言えば、
私にとっては被災地を見舞われたり、戦地へ慰霊の旅に出られた
両陛下のお姿だ。
一般参賀などで、正装された、素敵なお召し物の皇室の方々の
お姿と同時に、
グレーのジャンパーなどをお召しになって、被災者の話を親身に
お聞きになる両陛下のお姿、その両方が記憶に残っている。
御簾の奥でお祈りになっておられただけでは、
なかなか庶民には皇室への敬愛は育たなかっただろうし、
その敬愛の気持ちが、これから先の皇室を守らなきゃいけない
という気持ちに直結している。
やっぱり天皇陛下はすごい。