お1方の天皇に1つの元号。
この制度を「一世一元(いっせいいちげん)」制という。この制度について、拓殖大学学事顧問の渡辺利夫氏が興味深い指摘をされている。「御代替わりが近づいてきた。明治、大正、昭和、そして平成までが過ぎ去ろうとしている。『一世一元の制』は明治の改元以来のものだが、改めて優れた『制度設計』だと思わされる。天皇家の血脈が瞬時たりとも途絶えることなく紡がれていることが証され、そうして曾祖父母があり祖父母があり父母があって自分が在るという私どもの血脈の連続性を、天皇家の血脈の連続性の中に投影することができる。限りある個々の人間の人生が代々とつづく血脈の中にある、そういう連続性を私どもに直覚させてくれるものが一世一元の制ではないかと私は考える」と。傾聴すべき指摘だろう。