2月のゴー宣言道場。
私なりの収穫の1つは、エドワード・スノーデンが日本国内の重要施設のコンピューターにマルウェア(有害なソフトウェア)を仕掛けた可能性について、専門家の見解を確認できたこと。以前、Netflixでオリバー・ストーン監督の映画「スノーデン」を観ていた。実話に基づく作品だ。その中で、スノーデンが日本で活動していた時期に、わが国の発電所やダムなど、社会生活を支える重要施設のコンピューターにマルウェアを埋設した話が、チラッと出て来る。もし日本がアメリカの同盟国でなくなった場合、そのマルウェアが作動して、日本全体をパニックに陥れる、と。驚くべき内容だ。勿論、実話映画の中にも、様々なフィクションが混在している。だから、これを直ちに事実と見る訳にはいかない。しかしマルウェアの件は、見逃してしまいそうな隅っこの、ごく小さなエピソード。監督が敢えて創作する必要のないストーリーだ。恐らく、スノーデンの証言を元にしたのだろう。しかも、スノーデン自身にも、このような虚偽の証言をしなければならない、特別の理由は見付けにくい。一方アメリカには、スノーデンにそのような工作を行わせる動機も能力もある。「悲観的に(最悪のシナリオを織り込んで)備え、楽観的に(最善のゴールを目指して)事に当たる」というのが危機管理の鉄則とされる(逆にやっちゃいけないのが「楽観的に備え、悲観的に事に当たる」)。だから一先ず、この件は事実と見ておくべきだ、と考えていた。当日、安全保障が専門の川上高司氏から肯定的な回答を戴いて、私の素人判断も、全くの見当外れではなかった、との感触を得ることが出来た。だが、政府は果たして危機管理の鉄則に則って、迅速かつ厳重に対処しているのかどうか。それとも、アメリカ側から切り捨てられるまでは、わが国から対米従属を変更する選択肢はあり得ない(よってマルウェアは全く脅威にならない)、と決めてかかっているのか。