去年、皇太子殿下の最後の育樹祭を
「末端の端くれ」としてお手伝いさせて戴いた次男。いつも仕事で忙しくしている。先頃、珍しく何日か帰省した。その1日、次男の運転で地元の映画館に行った。2人分の料金を払って、チケットを渡すと、「オヤジ、ちゃんとシニア割引を使った?」と聞く。「そう言えば、そんな割引があったなぁ。自分に引き当てて考えた事はなかったけど」と答えると、「いつまでも若いつもりじゃいけないよ」などと生意気な事を言う。私も、もうそんな年齢か。若い頃には、自分がこれほど長生きするとは思っていなかった。次男と一緒に観に行った映画は「ボヘミアン・ラプソディ」。長男が「最後の20分は魂が震えた」と絶讚していた。確かに心を揺すぶる作品だ。『月刊Hanada』の花田編集長の年賀状では、昨年本人が観た映画のベスト10で2位にランクインさせていた。次男は作品が作品なので、父子なのに周りから“恋人同士”と間違われないか、気にしていたようだ。些細な事を気にするヤツだ。そもそもLGBTへの勉強が足らん。…って、偉そうな事を言ってしまったが、振り返ってみると、私がヤツの年頃には、父親を映画に誘うなんて殊勝な考えなど、まるで無かった。画像:Muhammad suryanto / Shutterstock.com