護衛艦「いずも」と「かが」は、
改修して戦闘機が着艦できるようにするという。
そうなるとどう見ても航空母艦(空母)なのだけど、
防衛大綱に関する与党のワーキングチーム(WT)は
名称を「多用途運用護衛艦」に決めた。
もともと「自衛のための必要最小限度の範囲」を超えるから、
攻撃型空母は保有できないという見解を政府は示してきた。
じゃあ防御型空母でどうだ、といったら、
WTの中で「空母はダメ!」
じゃあ「多用途運用母艦」はどうだ、といったら、
「母艦は空母を連想させるからダメ!」
ってことで、「多用途運用護衛艦」になった。
バカじゃないのか。
そもそも空母がダメっていうのがおかしい。
軍事アレルギーもたいがいにせいよ。
「母艦」も空母を連想させる……意味不明。
用途が空母なら、それは空母だ。
名称だけ変えて誤魔化して、なあなあで運用するの?
多用途に?
そっちのほうがよほど危険じゃないですか?
自衛隊明記だけして、自衛隊を軍隊として位置付けず、
結果、コントロールもできないようにしてしまう
自民党改憲案と同じだね。
「多用途に運用」する先に、戦争があるかもしれないのに。
そして護憲派もきっとなあなあで、
このいかさまフレーズに乗っかるんだろう。
「これは空母じゃない!」
「護衛艦なんだ!」
「多用途で運用できる護衛艦なんだ!」
って思っていれば、本質を見ずにいられるもんね。
空母が必要なら、ちゃんと国民に説明して、
「これは空母です」と言えばいい。
それが政治家の役割だ。
もっとも、それにはまず自衛隊を「実力組織」ではなく
「軍隊」と認めなければならない。
それができないから、空母も「空母じゃない」って
詭弁を弄さなくてはならない。
自衛隊のいかさまフレーズも、いい加減うんざり。
一体いつになったら、我が国は軍事と真正面から
向き合うことができるのだろう。
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