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泉美木蘭
2018.10.21 12:54日々の出来事

港区南青山の児童相談所騒動にびっくり

今朝の東京新聞1面にびっくりだよ。
港区南青山の国有地に児童相談所を作ろうとしたら、
「おしゃれな街に不似合いだ」とか
「世界的に有名なファッションの情報発信地に児相は
違和感がある」とか
周辺住民から猛反発が出ているんだって。

南青山ってところは、国内外の高級ブランドとか
高級外車のショールームとか、有名デザイン事務所
なんかが軒を連ねている場所なんだけど。

児童相談所に、虐待を受けた子供や、DV被害者、
非行少年を緊急的に保護する機能があるとわかって
忌み嫌う声が噴出したそうだ。
「なんで青山の一等地でそんな施設を?」とか
「高級商業地の地価が下がる」とか
「田町とか広いところがほかにもあるだろう」とか
「ネギ一本買うにも高級スーパー紀伊国屋に行くような街。
DVなどで保護される生活困窮者が生活するのにふさわしい
場所なのか」とか。

・・・シェルターに保護されるような目に遭っている人が、
なんで町を歩いて高級スーパーでネギを買うなんて自由が
あると思う
んだろ。
ただ単に、

『私たち金持ちのためのブランドの街で、虐待なんて受ける
ような貧乏人にうろうろされたら価値が下がって困る!』
という高慢な差別を丸出ししているようにしか見えない…。

そういう冷淡でプラスチックみたいな近代社会の隙間に、
孤独と虐待が存在していて、見過ごされた末の悲劇が起きて
いるのだということぐらいは、昨今のニュースを見て感じる
ことだと思ってた。
都会の真ん中にこそ、あるべき施設なんじゃないのかなあ。
空き地になってる国有地なんでしょ? いいじゃん。
なにが「おしゃれ」で「情報発信地」なのかと思っちゃうよ。

泉美木蘭

昭和52年、三重県生まれ。近畿大学文芸学部卒業後、起業するもたちまち人生袋小路。紆余曲折あって物書きに。小説『会社ごっこ』(太田出版)『オンナ部』(バジリコ)『エム女の手帖』(幻冬舎)『AiLARA「ナジャ」と「アイララ」の半世紀』(Echell-1)等。創作朗読「もくれん座」主宰『ヤマトタケル物語』『あわてんぼ!』『瓶の中の男』等。『小林よしのりライジング』にて社会時評『泉美木蘭のトンデモ見聞録』、幻冬舎Plusにて『オオカミ少女に気をつけろ!~欲望と世論とフェイクニュース』を連載中。東洋経済オンラインでも定期的に記事を執筆している。
TOKYO MX『モーニングCROSS』コメンテーター。
趣味は合気道とサルサ、ラテンDJ。

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