今朝、モーニングクロスで「新潮45」の話をしていたら、
雑誌は「プラットフォーム」の一つなんだから、ダメなら
潰して、また新しい雑誌を作ればいいじゃないかという
意見があると聞いた。
それってまったく腑に落ちない…。
この深刻な出版不況の時代にそんなに簡単に雑誌を作って
売れるわけがないと思うし、
だいたい、「プラットフォーム」というのは、
『Yahoo! JAPAN』 とか『Facebook』とか『BLOGOS』とか、
よそから「コンテンツ」の提供を受けたりして、それらを
使って人を集めて収入を得ているウェブサービスのことを
あらわす言葉だ。
「プラットフォーム」では、一本の原稿に対して、
雑誌や新聞や書籍の出版社のように、企画、編集、執筆、校閲、
文字校正、デザインなどプロの職能を持つ人々の手が入らない。
だから、フェイクニュースが蔓延しても、その責任の所在が
まったく明らかにならなかったり、
二束三文の素人ライターが書いた記事が、さも「オフィシャル」な
もののようになって流れたり、
新聞では一面見出しになっている国際問題があるのに、
ネットニュースではのん気にネコのもふもふ動画だけが見られて
いたり、破滅的な状態になってしまうのだ。
出版媒体と「プラットフォーム」を混同するなんて、あまりに
物事を軽薄に考えすぎているし、
そういう感性こそ、「売れればなんでもいいじゃん」という
無責任な舵取りにつながっていると思う。