9月14日、天皇・皇后両陛下には、
7月の西日本豪雨の被災地へのお見舞いとして、岡山県にお出まし戴いた。目的地は倉敷市。わが郷里だ。深く深く感謝申し上げる。倉敷は元々、災害とは殆ど縁の無い地域だった。この度のような深刻な災害に襲われ、こうした形で陛下の行幸を仰ぐことになろうとは、夢にも思わなかった。私の母や弟らが住んでいる場所は、堤防が決壊した真備町からは離れている。それでも皆、夜中に近くの商業施設の屋上に避難して、そこで一晩過ごしたそうだ。年老いた母親にはかなり辛い一夜だっただろう。陛下のご日程は以下の通り。〔午前〕東京から飛行機で岡山県へご移動。〔午後〕岡山空港から自衛隊ヘリで倉敷市へご移動。倉敷市真備総合公園体育館で、岡山県知事より被災状況などをお聴き取りになる。同体育館で被災者を丁寧にお見舞い下さった。更に、災害対応に尽力した人々をもお労(ねぎら)いになった。倉敷市から再び自衛隊ヘリで岡山空港へご移動。上空から倉敷市真備町と総社市の被災状況をご視察になる。岡山空港で岡山県知事と県警本部長とご懇談。岡山県から飛行機でご帰京。〔夜〕この日は金曜日で閣議があったので、御所で内閣から届けられた上奏書類をご決裁になるご執務。法的には天皇陛下の最も重大なお仕事だ。陛下のご負担はいかばかりか。今のところ、同じく被害が大きかった広島県と愛媛県には20日にお出ましのご予定とか。まことにお優しいお心づかい。だが、1日で両県を続けてご訪問になり、しかも日帰りという日程の組み方は、ご高齢の陛下に余りにも過酷なスケジュールではあるまいか。ご譲位を控え、側近の方達には、くれぐれも陛下に過大なご負担がのし掛かる事が
無いように、十分な対応をお願いしたい。