安倍首相は少し前、つまりアメリカが態度を変えるまでは、
「対話ではなく圧力を」と勇ましく訴えていた。
だが、局面は既に「戦争か、譲歩か」に移っていた。
もし米朝開戦になったら、
日本がどのような立場に立たされるか。
その点について、ちゃんと自覚はあったのか。
「朝鮮戦争は現在も『休戦状態』なので、朝鮮国連軍は健在です。
在韓米軍司令官が朝鮮国連軍司令官を兼務しています。
日本にも朝鮮国連軍の後方司令部が横田基地に置かれ、
7つの在日米軍基地が朝鮮国連軍の基地になっています。
…日本政府は、朝鮮国連軍に参加するアメリカ、英国、フランス等の12ヵ国と
『朝鮮国連軍地位協定』を締結しています。
日本が署名した1954年以来変わっていません。
1953年に結ばれた朝鮮戦争の休戦協定の当事者は、
朝鮮国連軍(アメリカ)と朝鮮人民軍(北朝鮮)と
中国人民志願軍(中国)です。
この休戦協定が破られて再び戦争状態に入ったら、
在韓米軍も韓国軍も在日米軍も朝鮮国連軍に組み込まれて
戦うことになります。
日本は朝鮮国連軍地位協定に基づき、
朝鮮国連軍の作戦のために支援を行うことになります。
つまり、米軍開戦になったら、
日本は“自動的”に国際法上の『交戦国』になります。
日本に交戦国に“ならない”主体性はないのです」
(伊勢崎賢治氏、『立憲的改憲』より)
米朝開戦と同時に日本は「交戦国」になる。
安倍首相はその覚悟があって訴えていたのか。