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泉美木蘭
2018.8.8 19:31日々の出来事

女性外科医のこと

幻冬舎Plusでふたたび「ネトウヨ卒業者」の取材記事をまとめ中。
今夜中に仕上げるけど、10日中に原稿確認していただけるかなあ、取材に応じて下さった彼……(という私信)

 

子育て中の女性外科医の人が描いた漫画が、たしかうちにあったはずなんだけど、昨日から探してみても見つからない。
先日、思い切って本を半分ほどに減らしたので、その時に処分しちゃったのかも。
仕方がないからもう一度注文した。

とってもコミカルでテンポの良い漫画だったんだけど、とてつもなくハードすぎる女性外科医の毎日の様子が描かれていて、旦那さんの協力が最大限にあっても、よっぽど「ハイパーな人」か、それとも出産や子育てを最初からあきらめて、医療に身を捧げるという人でないと難しい世界なんだろうなという印象だった。

一時期、急患のない歯医者が急増して、ばたばた潰れていくという現象があったけど、やっぱり人を助けるという志を持った医師の世界でも、手術時間や勤務時間が不規則でなく、自分の人生を考えるゆとりを持てる科目を選びたいという人がいて当然なんだろうと思う。

なにかの女医インタビューで、外科医は「手術の技術の向上」がなにより重要なことになるから、産休がとれたとしても、感覚が鈍ることのほうが怖くて、早々に休暇を切り上げて現場に戻るのだという話を読んだ記憶がある。
授乳中もずっと手術の糸を結ぶ練習をし続けた、とか。きっと「外科医あるある」なんだろう。

働き方改革や、女性の地位向上、男女平等、という「概念」から怒っているだけでは単純に解決できないものがあるだろうし、東京医大の入試の手法についての糾弾とは別に、もう少し幅広い目線から深く考えるべき部分があるように私は思う。

泉美木蘭

昭和52年、三重県生まれ。近畿大学文芸学部卒業後、起業するもたちまち人生袋小路。紆余曲折あって物書きに。小説『会社ごっこ』(太田出版)『オンナ部』(バジリコ)『エム女の手帖』(幻冬舎)『AiLARA「ナジャ」と「アイララ」の半世紀』(Echell-1)等。創作朗読「もくれん座」主宰『ヤマトタケル物語』『あわてんぼ!』『瓶の中の男』等。『小林よしのりライジング』にて社会時評『泉美木蘭のトンデモ見聞録』、幻冬舎Plusにて『オオカミ少女に気をつけろ!~欲望と世論とフェイクニュース』を連載中。東洋経済オンラインでも定期的に記事を執筆している。
TOKYO MX『モーニングCROSS』コメンテーター。
趣味は合気道とサルサ、ラテンDJ。

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