ゴー宣DOJO

BLOGブログ
泉美木蘭
2018.4.11 10:10

4.11東京地裁631号法廷にて

小川榮太郎氏が朝日新聞から訴えられた件で、
小川氏本人と花田紀凱編集長が、
この半月ほど、全力で
「初公判は4月11日午後2時、東京地裁」
「応援、傍聴よろしくお願いします」

って大盛り上がりで大宣伝しまくっていたから、

行ってきたんだよ、わざわざ霞が関まで。
仕事一本前倒しして予定空けて。
小川氏も「事前準備を全てすませた、万全の内容だ」という
すごい意気込みを書いていたので、よっぽど自信満々の陳述が
あるのだろうと。
小川氏擁護のネトウヨなんかは「今日で朝日新聞が終わる!」
とか騒いでいたし、いろんな意味で期待したわけですよ。

張り切った私とSさんは1時間前に地裁についちゃって。
荷物検査をクリアし、
まだ誰もいない法廷の扉の前をうろつき、
そのまま廊下で1時間待って。
早めに来てる人々は記者らしく、みんな身軽な格好で、
キャンパスノートと
ボールペンだけを手に持っているから、
私も右見て、左見て、鞄からノートとペンを出してみたりして。

30分もすると、どんどこどんどこ人がやってきて、
後ろに長蛇の列ができていって。6、70人並んでたのかな?
妙齢の女性がぽつぽつ、ひとり未成年らしき子がいたけど、
ほとんどが「初老」「高齢」の男性なんよね。
『WiLL』『Hanada』の読者層ってこんな感じなんだなあ。
みんな「初公判」に意気込んでいて。

で、ようやく扉が開いて、私は最前列に座ったんだけど、
すごい人で、20人以上が重なって立ち見になったわけですよ。
その中に、花田編集長もいて。
「え、こっちが最前列に座ってるのに、当事者が立ち見やん」
って思ったりして。
そしたら、立ち見禁止ということで、その人たちは出されること
になり、要人への席の譲り合いなど、ちょっと騒然となって。
うわー、すごい貴重な傍聴席を確保してもうたーと。

で、いざ裁判官が入ってきて、起立、礼、着席したわけだけど、

ぜんぜん初公判じゃなくて。
いきなり2回目なわけですよ。

「被告(小川)から準備書面が提出されましたね、
 原告(朝日)はそれに対する反論をいつごろ出されます?」
「えーと、連休に入りますので5月末とか・・・」
「じゃあ、5月31日に提出ということで、次回は6月にしますか。
 みなさんご予定いかがでしょう。13日とかは?」
「13日? よいです」「よいですよ」「じゃあ、6月13日で」
「それから、傍聴人が多くて立ち見の方がいらっしゃるので、
次回から1階の大法廷で行いましょう。それでは、閉廷します」

へ、閉廷?

へえーーーーーーーーっ・・・!?

次回の予定を決めただけで、2分で終わりました。
傍聴席のあちこちから挙がる困惑の声。
「え、これだけ?」
「えっ?」「え?」「えっ?」

なんだかまったく意味不明だけど、
とにかく裁判所1階の法廷検索マシンのところにおられた
案内の人によると「あ、これは初公判じゃないですね」
ということだけは判明。

なんだったんだ、あの小川氏とHanadaと花田編集長の
意気込み満々、全力の「4.11初公判」宣伝は!
こんな細かい情報までフェイクなんかーーーーい!

並んだ1時間を返せーーー!!
初傍聴で緊張して、一応ジャケットとか選んで着ていった
私のこのかしこまりを返せーーー!!
傍聴席確保したときの私の心のドヤ顔を返せーーー!!

現場での、一応の収穫。
被告の小川氏側に、喜多村洋一弁護士が座っていた。
薬害エイズの安部医師や、ロス疑惑の三浦被告を無罪にした
人だ。

あと、ロビーで、裁判傍聴芸人の阿曽山大噴火を見た。
派手派手やった。これが一番盛り上がった。
ものすごくさっさと用事が終わったので、霞が関ぶらついて、
財務省と経産省と文科省の建物見学して帰ってきた。


泉美木蘭

昭和52年、三重県生まれ。近畿大学文芸学部卒業後、起業するもたちまち人生袋小路。紆余曲折あって物書きに。小説『会社ごっこ』(太田出版)『オンナ部』(バジリコ)『エム女の手帖』(幻冬舎)『AiLARA「ナジャ」と「アイララ」の半世紀』(Echell-1)等。創作朗読「もくれん座」主宰『ヤマトタケル物語』『あわてんぼ!』『瓶の中の男』等。『小林よしのりライジング』にて社会時評『泉美木蘭のトンデモ見聞録』、幻冬舎Plusにて『オオカミ少女に気をつけろ!~欲望と世論とフェイクニュース』を連載中。東洋経済オンラインでも定期的に記事を執筆している。
TOKYO MX『モーニングCROSS』コメンテーター。
趣味は合気道とサルサ、ラテンDJ。

次回の開催予定

INFORMATIONお知らせ