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泉美木蘭
2017.9.28 05:47

なぜ被害女性の声を聞かないのか

配信中のライジングで、
「なぜ? 準強姦もみ消し疑惑が『不起訴相当』」と題して
安倍首相の提灯ジャーナリストによる準強姦もみ消し疑惑が、
検察審査会によってまともな理由の説明もなく「不起訴相当」
議決されたことをについて書きました。

笹幸恵さんとの『淑女我報』でも、
この件をテーマに、“検察審査会というブラックボックス”について
過去の記事を取り上げながら語っています。

検察審査会では、どのような人々が、いつどこに集まって、
何時間の議論を何回行い、一体どんな論点が並べられて、
結論に至ったのか。議事録も公開されず、なにもかもが不明です。

今売りの『週刊新潮』でもこの件についての記事があり、
弁護士の郷原信郎氏のコメントがありました。

「審査の経過は分かりませんが、検察官が審査会に呼ばれて、
なぜ起訴できないのか、の理由をしっかり説明した可能性が高い
と思います。私も現職時、参加したことがあります。
今回、1年に亘る検察の捜査の中で消極証拠を綺麗にそろえた
検察官が要領よく素人相手に説明すれば、反対の立場の法律専門家
の意見がないだけに、審査会の構成員は検察官の意見には、かなり
影響される可能性がある」

検察官による説明がもしあったのであれば、
被害者であり、今回証拠資料を集めて申し立てた詩織さん本人か、
その弁護人が審査会に呼ばれて、しっかり説明する機会があって、
然るべきだと思います。

しかも、意識朦朧の詩織さんがホテルに引きずり込まれる状況は、
ホテル関係者や、タクシー運転手による証言、防犯カメラの映像
などがあるわけです。
その後に密室内で起きたことについて、被害者と加害者の解釈が
異なるのなら、詩織さん本人に審査会で発言していただいた上で、
議論を進めるのが当然なのではないでしょうか?

この一連の事件がきちんと報じられないことに納得がいきません。
逮捕状が発布されているのに、鶴の一声でもみ消されたという事実が、
被害女性によって明るみにされており、
その一声を発した人物が、安倍政権と直結しているというのに、
どうして問題視しないのですか?

不倫疑惑だのなんだの、決定的な証拠もないプライベートを執拗に
追い回して誰かの人生を叩き壊そうとするくせに、
なぜこの事件には触れないんでしょう?
女性が尊厳を傷つけられることに、どれだけ無神経なんですか?

泉美木蘭

昭和52年、三重県生まれ。近畿大学文芸学部卒業後、起業するもたちまち人生袋小路。紆余曲折あって物書きに。小説『会社ごっこ』(太田出版)『オンナ部』(バジリコ)『エム女の手帖』(幻冬舎)『AiLARA「ナジャ」と「アイララ」の半世紀』(Echell-1)等。創作朗読「もくれん座」主宰『ヤマトタケル物語』『あわてんぼ!』『瓶の中の男』等。『小林よしのりライジング』にて社会時評『泉美木蘭のトンデモ見聞録』、幻冬舎Plusにて『オオカミ少女に気をつけろ!~欲望と世論とフェイクニュース』を連載中。東洋経済オンラインでも定期的に記事を執筆している。
TOKYO MX『モーニングCROSS』コメンテーター。
趣味は合気道とサルサ、ラテンDJ。

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