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泉美木蘭
2017.2.25 06:30

退位に関して「天皇の意思」を認めない怖さ

昨夜寝しなにテレビをつけたら、たまたま「朝まで生テレビ」で生前退位の
議論をやっている場面だった。
百地章氏は、いまだに「皇室典範改正には時間がかかる」という議論拒否
のためのペテンをばら撒いていて驚く。
「時間がかかるから特例法で退位していただく」では、天皇陛下に対して
「面倒だから辞めていただく」と言っているも同然なのに、どうしてその失礼
さに気がつかないんだろう。

田原総一朗氏は、安倍さんは女性天皇とか女性宮家が嫌なんじゃない
かな?」
とはっきり言葉にして百地氏をすごく慌てさせていたけど、
残念ながら、「とりあえずお疲れだから退位していただいて」の
二段階論を
支持しているようだった。
二段階にすれば、二段階目を踏み倒しても罰則もない状況になってしまう。
これまでの様子を見ていれば、あとでちゃんと議論をするだろうと信じるの
は、あまりにも人が良すぎると思う。

三浦瑠麗氏は、安保法制の例を出して、安保のときは「国の存立の要の
部分を変えられたのに、どうして皇室典範を変えることができないのか」
と。まったくその通りだと思う。
まさか与党は、「特例法での退位」を強行採決するつもり?

井上達夫氏が、「恣意的な退位が起きる」と強弁している百地章氏を、
ものすごーく冷ややかで、ものすごーく怖い眼で、じーーっと眺めながら、
「アナクロニズムだ」
ぼくはこないだ明治天皇の玄孫に対してもそう言ったんだけどね」
と一撃撃沈させたシーンは、迫力があった。録画しとけばよかった。
公明党の遠山清彦議員が、
「譲位の条文に【天皇の意思に基づく】という要件を入れると、憲法4条の
天皇は国政の権能を有しないという政治不介入の原則に抵触する」
「皇位を変えるということは政治的行為じゃないか」
などと言っていたが、
そもそも生まれながらに基本的人権を制限されている天皇陛下個人に、
その地位を自ら退きたいという意思も認めないなど、そんな反人道的な
ことを政治家が堂々と言って
よいのだろうか?
天皇陛下を「国民主権」のための奴隷にしないでほしい。

それに、そこを封じ込めてしまったら、あとには「強制退位」しか選択肢が
残らなくなるじゃないか。
言ってることがむちゃくちゃすぎると思うのだけど。

月曜日にMX「モーニングCROSS」に出るので、オピニオンのコーナーで、
退位に関して『天皇の意思』を認めようとしない問題点について話す予定。

泉美木蘭

昭和52年、三重県生まれ。近畿大学文芸学部卒業後、起業するもたちまち人生袋小路。紆余曲折あって物書きに。小説『会社ごっこ』(太田出版)『オンナ部』(バジリコ)『エム女の手帖』(幻冬舎)『AiLARA「ナジャ」と「アイララ」の半世紀』(Echell-1)等。創作朗読「もくれん座」主宰『ヤマトタケル物語』『あわてんぼ!』『瓶の中の男』等。『小林よしのりライジング』にて社会時評『泉美木蘭のトンデモ見聞録』、幻冬舎Plusにて『オオカミ少女に気をつけろ!~欲望と世論とフェイクニュース』を連載中。東洋経済オンラインでも定期的に記事を執筆している。
TOKYO MX『モーニングCROSS』コメンテーター。
趣味は合気道とサルサ、ラテンDJ。

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