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泉美木蘭
2016.3.15 10:20

消費が冷え込むほどギャンブルが増える。理にかなった罠かも。

ぽりぽり。
小林先生、ありがとうございます

威張り散らす人って、実は自分の弱さをよくわかっているあまり、
「自分は見下されている!!」と思い込みすぎて、
国会開会式に出てきて天皇陛下の前で苦悶してる共産党みたいな
状態になってるのかもしれない・・・。
そういう感覚も、楽しんでコントロールできれば、芸人になれるけど。

本日配信されたライジングで、
証券会社の狙い通りにまんまと財布をこじあけさせられて、
FXや株にハマってしまった人達を紹介しています。

原稿を出してから、また考えはじめて、昨夜ふと思ったのですが、
景気が悪くなればなるほど、こういうギャンブルに引き寄せられる人は
増えてしまうのかもしれないですね。

だって、人間って保有しているお金の量ではなく、「消費した」という行為
快感を感じていると思うんですよね。
お金の量は、むしろ「減ってきた…」という不安材料に反転するし。
投資で儲けた人が、すぐにわかりやすく豪遊して消費したがるのも、
「持っている」ことより「使う」ことが楽しいからだし。

だから、景気が悪くなり、消費が冷え込むと、庶民には、消費できない
鬱憤が溜まっていく。
そこへ、「少額からでも、勝って増やせる」というメリットをちらつかせた
投資手法が目に入ると、「ここならお金を使ってみてもいいかも?」と
簡単に結び付けてしまう人が現れやすいのかもしれない。

震災のあった年、福島県の仮設団地で、慰問のイベントを開いたとき、
クレープやたこ焼きの屋台を出すに当たって、これを
「完全ボランティアで無料提供するか」、「有料で販売するか」
話し合ったことがあります。
ほかのボランティア団体は、東京などからシェフを呼び、食材を集めて
無料で料理をふるまっていて、やはり外から東北へ入った人達は、
「被災者からお金はもらえない。ボランティアは無料でやるべきだ」
と言ったのですが、同じ福島県民のメンバーが言ったんです。

「義援金や保証金をもらって、ボランティアが食材をくれて、
自分のやるべきことがなくなってしまったから、うつ状態になって
仮設住宅から出てこなくなったり、だらだらとパチンコ屋に通う人が増えた。
それで、おばさん達を車に乗せて、気晴らしになるかとジャスコへ
連れて行ってあげたら、買い物しながら泣き崩れたんだよ。
『こうして普通に買い物がしたかった』って。
利益を出すのは僕たちの活動趣意に反するが、材料費ぐらいは
いただく気持ちで堂々と販売すればいいんじゃないか」

それで、クレープ1枚200円、たこ焼き300円程度で販売したところ、
大行列の大繁盛となって、利益が出てしまい、寄付することになったんです。

人は消費したい。
ただ、その心理をついた巧妙な罠もある。
ライジング、ぜひ、読んでみてください。


泉美木蘭

昭和52年、三重県生まれ。近畿大学文芸学部卒業後、起業するもたちまち人生袋小路。紆余曲折あって物書きに。小説『会社ごっこ』(太田出版)『オンナ部』(バジリコ)『エム女の手帖』(幻冬舎)『AiLARA「ナジャ」と「アイララ」の半世紀』(Echell-1)等。創作朗読「もくれん座」主宰『ヤマトタケル物語』『あわてんぼ!』『瓶の中の男』等。『小林よしのりライジング』にて社会時評『泉美木蘭のトンデモ見聞録』、幻冬舎Plusにて『オオカミ少女に気をつけろ!~欲望と世論とフェイクニュース』を連載中。東洋経済オンラインでも定期的に記事を執筆している。
TOKYO MX『モーニングCROSS』コメンテーター。
趣味は合気道とサルサ、ラテンDJ。

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