先日、売れっ子コピーライターのプレゼンに同席したのだけど、
目に入るなりすぐに意味が脳に浸透して、かつ印象と記憶に残る短文を
ポンポコ生み出せる才能って、ほんと羨ましいなあ。
自分は、もうとにかく土石流、火砕流並みの言葉数で押しに押し切って、
場外乱闘に持ち込んでパイプ椅子で会議テーブル叩き割って、指切って
縫って痛かったという過程を全部書きたいタイプなので、
『広告コピー』という、夜空のど真ん中にドーンと炸裂して輝く4尺玉のような
一文にはつくづく憧れちゃう。
もちろん、一文と言っても一発で「それいいね!」と満場一致に至るわけでは
なくて、まずは広告したい内容、ターゲット層の言語感覚のレベルなどを確認して、
その後、いろんな角度から一案ずつ、合計15案ほどプレゼンするのだけど、
そもそもが広告のプロによる発表だから、プレゼンそのものが面白くて、
最後のコピー案が出終わった時には、完全にその人のファンになっていた。
言語感覚だけではだめで、『今』を的確に拾い上げる能力が、仕上がりを左右
する仕事でもあるんだな、と感じた。
広告コピーと言えば、ファッションビルLUMINEが季節ごとに掲出する広告が
けっこう好きだ。
コピーライターの尾形真理子さんと、写真家の蜷川実花さんのコンビなんだけど
毎回、微妙な女心を、絶妙に表現していて、うまいなあと思う。
『運命を狂わすほどの恋を、女は忘れられる』 (LUMINE 2014秋)
これ、あまりにも絶妙でしょ!
女はみんな、この一文にぶんぶん頷いちゃう。
次の広告も楽しみ。