グラミー賞受賞、はじめてだったのか。
小澤征爾さんって、『不屈の人』というイメージがぴったりで、
テレビに登場すると自然と注目している自分がいます。
がん摘出しても、腰を骨折しても、肺炎になっても、
何度でも復帰して、物凄い気迫でタクトを振るう。
オーケストラの背後から、小澤征爾さんの表情をとらえる映像を
見ていたら、ただ視聴してるだけなのに、なんだか魂に点火されて
めらめらぼーぼー燃やされてるような気分になりました。
私の母は、若いころから小澤征爾さんの大ファンで、
あるコンサートホールでは、演奏後にステージ下から花束を渡そうと、
自分で花束を作って準備していたのだけど、あいにく、席が遠くて
タイミングを逃してしまった、と。
で、仕方なく、帰り際に受付の方に託そうとしたところ、
たくさんの花束がぞんざいに積み上げられているのを見てしまい、
せっかくの気持ちをあんな風に扱われるのは嫌だ、と思ったそうで・・・
「直接お渡ししたいので、楽屋に通してください」
「どちらさまでしょう? 一般の方をお通しすることは・・・」
「オザワです!」
・・・大昔の話とはいえ、娘として恥ずかしい・・・。
小澤でも小沢でも尾沢でもない泉美の母は、「オザワ」と名乗り切り、
そして、あまりにも堂々と「オザワ」と名乗ってしまったので、
受付の方はびっくりしてしまい、そのまま楽屋に案内されて入っちゃった、と。
『寄り切りの人』、うちの母・・・・。
楽屋では、リラックスして着流し姿になった小澤征爾さんがおられ、
花束を持って笑顔で入ってきた母を見るなり、
誰だっけ、忘れちゃったよ参ったなあ、と思われたのでしょう、
いきなり、
「やあ、久しぶりだねえ! 元気だったかい!?」
と、笑顔で母を抱きしめてくださり、母の作った花束をべた褒めしながら
受け取ってくださったのだそうです。
これが、神対応。
申し訳ありません&有り難いことでございます。