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泉美木蘭
2016.1.29 05:41

政治家とメディアの作る「印象」


政治家って、短い文章で大きな印象を作るのが本当に巧みだなあ。
甘利大臣の内閣府での辞任挨拶をテレビで見たけど、
「やせ我慢の美学」という言葉と、
職員が手渡した、赤や黄色の明るい色の花束、
それを抱えて涙ぐむ表情とが絶妙・巧妙にマッチして、
「甘利さ
んの引き際かっこいい!」と思わせる、美しすぎる仕上がり。

やめてくれよと思うのは、そこへ、
安倍首相に対する尊敬と讃美の言葉が混ぜ込まれていることだ。
私の見ていた番組では、ニュースの扱い方やコメントを聞いていても、
「素晴らしき安倍首相と、政権のために身を引いた献身の甘利大臣」
といった印象だけが際立って見えてくるし、それに乗っかって
それでも安倍政権には突き進んでほしい。甘利さんの功績は大きかった!」
といった趣旨の政権応援コメントがざんざん流されている。

ベッキーをあれだけ追い込んだ手厳しさが、どこにもない。
なんだかうんざりしてきた。

『全米が泣いた! 感動の辞任劇』


そんなCMを見てるような気分だ。

泉美木蘭

昭和52年、三重県生まれ。近畿大学文芸学部卒業後、起業するもたちまち人生袋小路。紆余曲折あって物書きに。小説『会社ごっこ』(太田出版)『オンナ部』(バジリコ)『エム女の手帖』(幻冬舎)『AiLARA「ナジャ」と「アイララ」の半世紀』(Echell-1)等。創作朗読「もくれん座」主宰『ヤマトタケル物語』『あわてんぼ!』『瓶の中の男』等。『小林よしのりライジング』にて社会時評『泉美木蘭のトンデモ見聞録』、幻冬舎Plusにて『オオカミ少女に気をつけろ!~欲望と世論とフェイクニュース』を連載中。東洋経済オンラインでも定期的に記事を執筆している。
TOKYO MX『モーニングCROSS』コメンテーター。
趣味は合気道とサルサ、ラテンDJ。

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