ゴー宣DOJO

BLOGブログ
泉美木蘭
2015.9.17 06:54

中継みたり、本読んだり

スマホから失礼いたします。
風邪ひくとすぐに気管支がやられるので、
まだゼロゼロしてますが、快方に向かってます。
ずっとベッドの上にいるので、読書したり、国会中継見ながら、
LINEで実家の母親の質問に回答したり。

母親は、私の息子(8歳)が「将来戦争に行かされるかも?」
と心配で仕方がないという気持ちから、昨夜から中継をずっと
見ていたそうだけど、だんだん、何の審議をやってるのか
わけがわからなくなってきて、
「寝てもいいん?」
と聞いてきました。
うん、このあと何時間かすれば鴻池委員長がまた舞い戻って
くると思うから、それまで寝たら?
寝てても、起きてても決まるよ、残念だけど。
私も牛話していた共産党の井上議員が話す様子をぼやーっと
眺めていたら、ゲシュタルト崩壊を起こして、加藤茶に見えてきて
「えっ、これ・・・なんの番組だっけ・・・」
と驚いたところだったので、一旦テレビ消しました。


昨夜は、ずっと持ち歩いてちょびちょび趣味で読んでいた
横井英樹の本を
読み終わって、かなり爽快な気分になっていました。
昭和の「乗っ取り屋」。ホテルニュージャパンを燃やした男。
ラッパーのZEEBRAのおじいちゃんです。

田舎の赤貧家庭に生まれてアル中の父親に虐げられた横井英樹は、
はやく大儲けして母親を楽にしてやるという執念だけを抱えて育ち、
尋常高等小学校を1年で中退。
10歳で東京に飛び出し丁稚奉公、すぐ独立してGHQ出入りの商人
となって財をなすと、白木屋乗っ取り事件で兜町に名を轟かせ、
石油や砂糖、ホテルなどの株を次々買い占めては、
「乗っ取るぞ!」
と脅して、血みどろの株主総会を繰り広げ、最後は高値でもとの
会社に売りつけるという方法で巨額の金を手にしていく。
恨みを買ってピストルで撃たれたって、へっちゃら!
体内に弾を残したまま復帰してきて、ぐずぐずしてる部下には
「お前らタマ2つしかねえだろう! 俺にはタマが3つあるんだ!」
と怒鳴り散らして鬼のように金儲けをむさぼる。
乗っ取られかけた企業と、横井との取引仲介人を務めていた
児玉誉士夫の証言では

「(横井が)4億5千万円を現金で持ってくるなら、この株を売って
買い占めから手を引いてやると言うので、そのように現金を積んだら、
『本当にあるかどうか確かめる』と言って、朝から夕方まで、
ひとりで4億5千万円を1枚ずつ数えた。あれは……病気だな」

そのうち、あの有名な「ホテルニュージャパン」乗っ取り。
ケチりすぎるあまり、防火対策や加湿設備の不備、特に消防署
からのスプリンクラー設置命令に従わないなど、不備を重ね・・・
ついにある夜、飛び込みで宿泊に来た泥酔状態の英国人客が
起こした寝タバコにより、ホテルはあっという間に大炎上!
33名死亡の大惨事に。

炎に炙られ高層階の窓枠にしがみついて助けを求める客が
次々と飛び降りて死んでいくという状況のなかで、横井英樹は
社員たちにホテル内の高級家具の搬出を命じていた・・・。

ZEEBRAはいつだかテレビ番組で、こんな風に語ってた。

「うちの実家は赤坂のデカい家で、目の前が防衛庁で、幼い頃は
AK47かかえた護衛の隊員をからかって遊んでいた。
たくさんお小遣いくれる気前のいいおじいちゃんだったけど、
小学生のある日、『おじいちゃん、ホテル燃やしちゃったー!』
って家族で大騒ぎになって…」

その頃は、オールバックに蝶ネクタイで拡声器を持つ横井英樹の
写真がうっすらと脳裏に浮かんで、ああニュージャパン燃やした人
かあと思っていただけだったんだけど、改めてその生涯読んでみると、
す、すんげーっすね・・・
こんな大物の悪党、いま、なかなかいないよ、と
爽快感を抱くほど
だったのでありました
・・・

あ、山本太郎。

泉美木蘭

昭和52年、三重県生まれ。近畿大学文芸学部卒業後、起業するもたちまち人生袋小路。紆余曲折あって物書きに。小説『会社ごっこ』(太田出版)『オンナ部』(バジリコ)『エム女の手帖』(幻冬舎)『AiLARA「ナジャ」と「アイララ」の半世紀』(Echell-1)等。創作朗読「もくれん座」主宰『ヤマトタケル物語』『あわてんぼ!』『瓶の中の男』等。『小林よしのりライジング』にて社会時評『泉美木蘭のトンデモ見聞録』、幻冬舎Plusにて『オオカミ少女に気をつけろ!~欲望と世論とフェイクニュース』を連載中。東洋経済オンラインでも定期的に記事を執筆している。
TOKYO MX『モーニングCROSS』コメンテーター。
趣味は合気道とサルサ、ラテンDJ。

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