現在配信中のライジング掲載中の『ザ・神様!』
で紹介させていただいた、
福島県いわき市久之浜町・諏訪神社の奥様から、
たいへんにご丁寧なお手紙と、地元紙『福島民報』を
新たに数日分お送りいただいた。
被災地域にがっちり密着した地元紙だけあって、
紙面を通して伝わってくる気合いがぜんぜん違う。
読んでいて思わず感動してしまうような、
熱のこもった記事がたくさんあった。
2015年3月11日の紙面には、
平成25年8月、地元・会津の自然を生かした太陽光発電を
行う『会津電力』を設立した佐藤弥右衛門さん(63歳)が
紹介されている。
佐藤さんは、江戸時代から続く酒造会社の9代目だが、
原発事故を受けてふるさとを見直し、地元有志らとともに
電力会社の設立を決めたそうだ。
今年2月には、飯舘村に設立された『飯舘電力』と、
技術面、資金面での協力関係を築き、太陽光発電所も完成。
「福島は東電の植民地だった」と表現する佐藤さんは、
地元が平然と「使用済み核燃料のゴミ箱」とされるのが
許せないと憤り、なんとか東電から土地を買いもどし、
地元の自然エネルギーを地元のために使う、
地産地消の未来を目指すためにスタートを切ったと言う。
各地では、国内外の大規模投資ファンドによって、
自然エネルギーの整備が進んでいるが「それではダメだ」と。
復興するなら、地元が潤う仕組みでなければならない、
それこそが経済につながるのだと語っている。
会津地方は税収が少なく、国の交付金に頼ってきたため、
国に頭があがらない状態にある。
しかし、地元で発電してお金を生み出せば、税収が増える。
電気代が安ければ企業も誘致でき、雇用も増える。
こうなれば、政府や国から自立した地方となれる。
ところが、信念を持って電力会社を立ち上げ、
太陽光発電の設備を続々と導入してゆくものの、
送電網を手放さない電力会社や、原発再稼働を目指す国の
思惑によって、発展が阻まれているという。
猪苗代湖など地元の豊富な水源を利用した小水力発電所も
作りたいが、すべて東電など既存水利権者に占有されており、
地元民には手も足も出ないのだという。
「そもそも町づくりは国ではなく地元民がやることだ」――
佐藤弥右衛門さんは、将来的には水利権を買い取るなど
完全なエネルギー自給を目指すと力強く語っている。
完全なエネルギー自給を目指すと力強く語っている。