福島県双葉郡大熊町の中間貯蔵施設に、
汚染土の搬入がはじまったとニュースで見た。
浜通りを車で走っていると、そこらじゅうに汚染土の
詰まった土嚢が積み上げられているし、
海沿いの工業団地には、除染作業員や建設業者の
プレハブ住居の奥に、絶句するほど広大な、汚染土の
仮置き場があり、私の胸の高さまである巨大な土嚢が、
6段、7段と積み上げられて壁を作っている。
広野町から楢葉町と車を走らせると、
車道の両脇に広大な田畑の広がる地区が現れるが、
ここはもう農作物のための土地ではなく、
汚染土の仮置き場となっており、
とてつもない量の黒い土嚢で埋め尽くされている。
はじめて通ったときは、そのあまりの光景に、
ハンドルをにぎりながら思わず
「うわっ!」
と大声をあげてしまったほどだ。
もとが田んぼだから水はけが悪く、土嚢のまわりは水浸しだ。
作業員たちは、この水たまりを長靴でびしゃびしゃ歩いている。
人間の恥部 を、これでもかと見せつけられた思いだ。
当然ながらこの仮置き場の土は汚染されているわけで、
30年留め置かれる中間貯蔵施設は、いくらコンクリート等で
遮蔽されると言っても、地下水の汚染は免れないだろう。
30年たったときに、「では次はうちで」と受け入れる場所があるとは
到底思えない。
みんなが事実を見て見ぬふりをし、やんわりと、とりあえず、ごまかし、
それとなく忘れてしまう未来が来るのを、なんとなく待っている。
「なにが『中間貯蔵』だよ」と言いたくなる。
一体いつまで平気な顔して再稼働にこだわるつもりなんだと、
もっとガチで怒らなきゃならない。