衆議院議員の加藤寛治氏が会合の場で
発言したセリフが物議をかもしている。
「(結婚披露宴の挨拶では)新郎新婦には必ず3人以上の
子供を産み育てていただきたい、と言っている」
未婚女性には、
「結婚しなければ、子供が生まれず、人様の子供の
税金で老人ホームに行くことになる、と伝えている」
これに対し、他の出席者から「セクハラだ」という批判があり、
加藤議員は発言を撤回したという。
え、これもセクハラ?
何でもかんでもセクハラって、
ちょっとざっくりまとめ過ぎではないだろうか。
これはセクハラというより、想像力の足りないオヤジの
トンチンカンな「オレさま話」に過ぎない。
おそらくご自身なりの「少子化対策」なんだろう。
けど、的外れもいいところだ。
「必ず3人以上」って、まずもって余計なお世話。
意思だけで出産ができるとでも思っているのか?
ヒトサマにそう強制されて「ああ、そうか」と納得する若者が
一体どれだけいるのか。
私が新婦なら「けっ」と思って終わりだ。
できれば子供を授かりたい。
でも思うようにならない。そういう夫婦は私の周りにもいる。
それは互いの体質や年齢、金銭的な問題、あるいは将来不安、
諸々が絡み合った結果なのだ。
少なくとも金銭的な問題や将来不安が少子化の一因になっているのなら、
政治家は、披露宴でそんな説教じみた話するより先にやるべきことがあるだろう。
言うだけなら、誰だってできる。
未婚女性に「結婚しなければ子供が生まれず云々」というのも、
これを言ったら相手はハッとする、と得意そうに言っていたけど、
「はあ?」としか思えない。
そもそも、そんなに少子化に心を痛めているなら、
結婚しなくても女性が子供産んで育てられるように
国が全面バックアップしたらどお?
というか、結婚したら自動的に子供が生まれると思っているのか?
「人様の子供の税金で老人ホーム」っていうけど、
それなら私たちが長い間せっせと払い続けている年金を
老後にちゃんと受け取れるようにしてくれよ。
年金積立金をギャンブル投資しているのはどこの誰だ。
結婚とか子供とか、こういう話を女にだけするのは、
根底には、女は子供を産んで一人前、
女は子供を産んで当たり前、という発想があるんだろう。
あるいは、女のワガママとか、女が社会進出したからとか、
要するに女のせいで少子化が進行していると思っているからだ。
旧態依然とした「女の役割」を若者に押し付けて、
それで悦に入っているんだから呑気なものだよ。
これはセクハラではなく、アナクロニズム親父の男尊女卑です。