ゴー宣DOJO

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高森明勅
2018.4.9 22:00

ゴー宣「憲法」道場、どんどん充実

4月8日、ゴー宣道場。

今回のゲストは憲法学者で慶應大学教授の山元一氏と
衆院議員の山
尾志桜里氏。

憲法シリーズの3回目だ。

私としては、回を重ねるごとに面白くなっている気がする。

第1部は、山元先生の基調講演から。
親切なレジュメを配っ戴いて、
実に分かりやすく丁寧に
説明して下さった。

帝国憲法の制定において「欽定」以外の選択肢はあり得たか、
という私の質問に対して、君主と国民の合意による「協約」
可能性を指摘された。

明治22年当時、果たして協約憲法が成立し得たかどうか。

それを可能にする政治的・
社会的条件が成熟していたか
については、
様々な考え方があり得るだろう。

だが、質問に答えられる際の、誠実この上ない態度に感銘した。

第2部の冒頭は、山尾議員による自民党改憲案への批判的分析。

さすがにご自身も法律の専門家であり、
プロフェッショナルの知恵を結集して、
自ら独自の改憲案を練り上げておられるだけあって、
極めて緻密かつ明快に話を進められた。

一般の国民の前で、自民党改憲案に潜む巧妙な「仕掛け」が、
ここまで平易に暴露されたのは、珍しいのではないか。

参加者との質疑応答は、ごく一部に些か見当外れな質問が

あったものの、全体にレベルが高く、山元先生の懇切を
極めた回答と相俟って、
道場全体の中でも最も濃密な時間に
なったかも知れない。

特にある女性の質問から、
「個人の自由」と「人間の尊厳」
との葛藤という、
私などはこれまで考えた事もなかった、
深遠なテーマが
浮かび上がった瞬間には、
ゾクゾクするような知的興奮を
禁じ得なかった。

なお回収されたアンケートの中に、

高森はいつまでも倉持麟太郎師範を道場で
イジルのは止めた方が良
い」

という趣旨が書かれていた。

これについて釈明しておけば、
一部メディアの執拗なバッシングが続く
倉持氏への冷淡な空気が会
場内にもし僅かでもあった場合、
私が道化的にああやって公然とイジル事で、
そうした空気を発散させ、更に倉持氏への同情が
生まれるなら幸いと目論んで、
心を鬼にして(!?)
やっている事。

このようなアンケート回答があるのは、
むしろ私としては本懐だ(
まぁ、ただ会場を盛り上げる為に、
条件反射的に無意識で意地悪をしているだけ、という説もあるが)

でも、そのアンケートをわざわざ倉持氏本人が、
私に大きな声で読んで聞かせるのは、どうなのか
(動画「
語らいタイム」にその場面あり。注目!)。

それはともあれ、倉持氏が選び、
交渉して道場にご登壇下さっている憲法学者の先生方は
皆さん、
学問的な議論の中身が興味深いだけでなく、
人柄も好感を持てる。

これからの「憲法」道場、更に楽しみだ。

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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