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高森明勅
2018.3.23 22:00

分断か、統合か

朝日新聞(3月23日付)に
「『護憲vs改憲』を超えて〔上〕」
という記事。

3人の識者の意見を載せる。

1人は駒沢大学教授で現代政治理論が専門の山崎望氏。

9条改憲の理由として、憲法学者が自衛隊は違憲だと言うから、
と語られていますが、裏を返すと、差し迫った必要性がないことを
証明しています。
東アジアの安全保障環境の変化に、緊急の対応が必要と考えるならば、
ハードルが高い憲法改正ではなく、個別の法律で速やかに行えばいい
わけですから」

「『日本人としてどうあるべきか』など、今直面している
個別の問題とは何の関係もないことが語られ、
憲法を変えれば、
そうした問題が解決されるという幻想がふりまかれている。
馬鹿げているでしょう」

「私は今、改憲は危険だと考えます。
国民に信を問う』という言葉に代表される、
民主主義を多数決主義と短絡した議論が幅をきかせているからです

「今の改憲論には、自由主義や民主主義の基盤を崩す
私権制限の議論も入っています。
果たして国民1人ひとりがこうした議論を必要とする機運が
高まっ
ているでしょうか。
そこで多数決をふりかざして合法的に改憲したとしても、
国民の分断を深める民主主義の『危機』としか言いようがありません」

次にジャーナリストの松竹伸幸氏。

「私は護憲派ですが、改憲が0点で護憲が100点とは
思っていません。

45点と55点ぐらい。
実は、
どちらも目指していることは似ています。

日本の安全は確保したい、けれども、
海外派兵までして
殺したり殺されたりはよくないよね、と」

結局、安全保障を誰もまじめに考えてこなかったことが
問題なのです。
護憲派は考えないことが誇りで、改憲派も米国の抑止力に
頼っていればよいという立場で無思考でし
た」

「私は、専守防衛をどう確立するか、護憲派こそ考えて、
日本の安全保障を作り上げなければならないと思います。
安倍首相の加憲論が支持を得そうで焦ったのか、
護憲派の中で安全保障を議論する機運が後退しました。
護憲が原理主義化してはいけません」

9条は目標としては立派です。
9条があるのに世界の平和と安全に役割を果たしていないことが
題で、それができれば、この憲法を作った意味があります」

必要なのは、紋切り型の護憲と改憲の間の豊かな
グラデーションを反映した議論
です」

3人目は慶応大学教授で憲法が専門の山元一氏。

憲法学界で半数ほどの学者が『自衛隊違憲論』を
主張するなかで、
自衛隊の存在そのものの合憲・違憲論争に
終止符を打ちたいという安倍晋三首相らの問題意識は理
解できます。

憲法上の正当性を学界から攻撃され続けている状況のもとで、
危険な職務に自衛隊を従事させるのは、法的倫理の観点から見ても
問題があります」

自衛隊を法的に正当化させることが、軍事力の強化や
民主主義を弱めることを招いてはならないのです。
戦前の日本は、軍事力の強化が全体主義化と並行して進みました。
そうならないように細心の注意を払う必要があります」

個別的自衛権の行使なら9条の枠内という合意はできています。
日本を守るために集団的自衛権のほんの一部を認め、後は文民統制
のようなブレーキとセットすれば、
9条が合理的に改訂できるという
考え方もありえます」

戦前の日本の評価と絡む9条には歴史的因縁があり、
国民投票で単純に賛否を問うのも難しいことです。
…それより、
みんなから『いいね』と言われる環境権や
教育無償化から始め、『
憲法改正には良い面がある』という
経験値を高めていくことが理想的だと思います」

国民投票を通じて人々は憲法と直面します。
私たちの社会が基本的
価値として何を大切にするかを議論し、
確認し、創造していく。
憲法改正は国民を統合していく契機にもなり得ます」

それぞれ、「なるほど」と頷ける指摘と、
「いやいや、そうではないだろう」
と反論したくなる考え方が、
混在している。

これらを手掛かりに、自らの思考をどう深めて行くか。

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「権力の腐敗と立憲主義

平成30年4月8日(日)午後2時 から
『人事労務会館』 にて開催します。

「人事労務会館」
(住所:東京都品川区大崎2-4-3 )は、
JR山手線・埼京線・湘南新宿ライン・りんかい線
『大崎駅』 の 北改札口 を出て左へ、
「西口」 側の左階段を降りて、徒歩3分です。

毎回、会場の場所が分からず迷われる方が、多くいらっしゃいます。

人事労務会館のHPにて、場所をよくご確認の上、ご来場下さい絵文字:重要
(HP掲載の、駅から会場までの地図を印刷し、持参されることをオススメします )

詳しくは、 “ こちら ” でどうぞ。

48日(日曜)14時から「ゴー宣道場」を東京で開催する。

特別ゲストは憲法学者・

山元一 慶應大学教授である。

テーマは「権力の腐敗と立憲主義」とする。

 

現在の「アッキード事件」による権力の腐敗は、

もう目も当てられない。

一人の権力者が自分の妻すらコントロールできずに、

国有地をタダ同然で売り払い、妻を擁護したいという

「私的エゴ」を貫徹するために、財務省に文書改ざん

という重大犯罪を惹起させたのである。

 

憲法というものは、国家体制の根源に関わる重大犯罪すら
防げないものなのか?

この国はそもそも「法治主義」なのか、「人治主義」

なのかという疑問すらぬぐえない状態になってきた。

一体、立憲主義に意味があるのか?

 

山元教授をお招きして、今の権力の腐敗を論じると共に、

憲法の意味そのものにも立ち入る議論を行いたい。

 

もちろん山尾志桜里議員も登壇する。

 

参加申し込みの締め切りは328日(水曜)である。

奮って応募せよ!

当日、道場の入場料は、お一人様1000円です。


参加ご希望の方は、このweb上の申し込みフォームから申し込み可能です
絵文字:重要絵文字:パソコン

上 ↑ のメニュー「道場参加申し込み」もしくは下 ↓ の申し込みフォームバナー(画像)
クリックして、申し込みページにお進み下さい絵文字:よろしくお願いします
入力必須項目にご記入の上、お申し込み下さい絵文字:重要絵文字:メール

申し込みフォーム

お申し込み後、記入されたメールアドレス宛に「申し込み確認メール」が届きますので、
ご記入内容に間違いがないか、よくご確認下さい。

※「申し込み確認メール」が届かない方は、以下のような原因が考えられます。

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reply@gosen-dojo.com」からのメールを受信できるよう再設定をお願い致します。

「申し込み確認メール」が届かない場合、当選メールも届かない可能性がありますので、
ご注意ください絵文字:重要


申し込み〆切後、当選された方にのみ「当選メール」を送らせて頂きます。

当選された方は、道場当日、
その「当選メール」をプリントアウトの上、会場までご持参下さい。
プリントアウトができない方は、当選メールの受信が確認できるもの
(携帯電話、タブレット等)をお持ちの上、ご来場ください。

 道場参加申し込みフォーム

応募〆切 は 平成30年3/28(水) です。

当選通知の送付は、応募〆切後になりますので、しばらくお待ち下さい絵文字:よろしくお願いします

皆様からの多数のご応募、お待ちしております絵文字:重要絵文字:晴れ


高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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