しかしまだペリリュー島にいる笹幸恵さんの説得が残っている。
8日に帰ってくるから、9日に説得しなければならない。
以前、笹さんはわしにこう問うた。
「倉持氏は先生のために役立っていますか?」
わしは答えた。「役立っています!」
「ならばいいです」と笹さんは答え、それ以上は言わなかった。
わしもあえて問わなかった。
「あえて真意を質さず」の精神を笹さんに説いてみよう。
我々の誤解もあるんだと思う。
わしは倉持氏を信じる決意をした。
早くも褒めちぎる高森氏の態度はどうかと思う。
今は禊の期間だ。
結果を出さなくてもいいのだ。誠実に努力するだけで。
信じてくれた人たちを裏切らないこと。
完全に認められるには年月が要る。
山尾志桜里さんだって同じことだ。