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笹幸恵
2017.12.26 02:30

シビリアンの暴走

政府は、海上自衛隊の護衛艦「いずも」を

空母に改修するという。

もともと「ヘリ搭載型護衛艦」で、

ものすごく広い甲板が特徴だった。

ほとんど空母じゃないかといわれていた

“欺瞞の産物”だけど、

いよいよ名実ともに「空母」になるのか。

 

空母と聞くと、私はどうしても

空母対決となった珊瑚海海戦や、

日本が空母4隻を失う大敗を喫した

ミッドウェー海戦を思い出してしまう。

 

「戦力の不保持」を掲げる憲法9条下の日本で、

物理的には珊瑚海海戦が生起する可能性が高まるのだから、

全く笑えないブラックジョークだ。

 

政府は、「攻撃型空母」は保有できないとする見解は維持し、

離島防衛用の補給拠点など防御目的で活用するという。

なんという言葉のまやかし。
「いやあ、それなら安心ね」と思うとでも?

こういうのを「なし崩し的」というのではないのか。

 

いくらシビリアンコントロールしたところで、

そのシビリアンが暴走していたら何の意味もない!

 

笹幸恵

昭和49年、神奈川県生まれ。ジャーナリスト。大妻女子大学短期大学部卒業後、出版社の編集記者を経て、平成13年にフリーとなる。国内外の戦争遺跡巡りや、戦場となった地への慰霊巡拝などを続け、大東亜戦争をテーマにした記事や書籍を発表。現在は、戦友会である「全国ソロモン会」常任理事を務める。戦争経験者の講演会を中心とする近現代史研究会(PandA会)主宰。大妻女子大学非常勤講師。國學院大學大学院文学研究科博士前期課程修了(歴史学修士)。著書に『女ひとり玉砕の島を行く』(文藝春秋)、『「白紙召集」で散る-軍属たちのガダルカナル戦記』(新潮社)、『「日本男児」という生き方』(草思社)、『沖縄戦 二十四歳の大隊長』(学研パブリッシング)など。

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