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高森明勅
2017.12.2 22:00

次の元号は「安倍の元号」?

わが国の元号は伝統的に
天皇によって定められてきた。

院政時代でも、武家権力の時代でも、
その「形式」
は尊重され続けた。

今の憲法下で初めての昭和から平成への改元も、
閣議の前に今上陛下にご報告している。

この時に陛下の“ご聴許”
戴いたと理解するのが自然だろう。

かくて「天皇の元号」
という“大化”以来の本質は守られた。

国民があまねく使う元号は、
特定の政権の元号であってはならない。

「国民統合の象徴」たる
天皇の元号であることが、最も相応しい。

ところが、毎日新聞(12月1日午後9時6分配信)
に気になる記事があった。

「政府は…(次の元号を)最終的に
首相が決定することを想定」と。

現憲法下でも、
先達が知恵を絞って守った元号の本質を、
無惨に破壊するのか。

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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