ゴー宣DOJO

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小林よしのり
2017.11.29 01:29日々の出来事

他人を批判する自分の器が問われている


ライジングのコメント欄に興味深い意見が来ていた。

わしがいくら支援しても山尾・倉持コンビの人気、好感度

アップにはつながらないと言うのだ。

「好感度アップ」だって?なんというセコイ感覚か。

 

「好感度」を気にするのはこの投稿者自身が「世間体」を

気にして生きているからだ。

「世間」の「好感」なんか気にしてたら、大きな目標は

何も達成できない。

わしだって「世間の好感度」を気にしていたら、慰安婦問題

なんかやらなかったし、『戦争論』なんか描いていない。

 

どんなに人に嫌われようと、真実を追求する、国家のために

働く、国民の幸福のために働く、それを理解してくれない

ような国民なら仕方がない、敗北を覚悟しても一直線に突き

進む、そういう覚悟があるから、これまでやって来れたのだ。

 

そして、まあまあ好感を持ってくれている人々が多いようで、

福岡で歩いていても、「よしりん!」と言って立ち止まり、

握手を求めてくれる人がいる。

わしを嫌いな人もいようが、好きな人はよっぽど熱心に好き

なようだ。

個人主義で生きている者は、すごく嫌われつつ、すごく好かれ

るのである。

 

山尾志桜里にも、そういうファンは多くて、愛知7区の選挙区

なのに、全国の女性ファンが熱烈に応援してくれている。

応援演説に行ったとき、ワゴンに乗り込む寸前まで、わしの

手を取って「山尾志桜里をよろしくお願いしますよ」と頼み込む

婦人がいた。

山尾氏のことが心配で心配でたまらないのだ。

その熱い思いを受け止めなきゃと、わしは思ったよ。

 

ワイドショーは叩きたいから作るのであって、応援する声は

紹介しない。

天下国家のことより「世間の好感度」が大事、特に不倫疑惑は

不快でしょうがないという人間は勝手に嫌っておけばいいでは

ないか。

 

わしなんか不倫を作品に描いているのに、妻も読んで笑って

いるし、秘書も笑ったり感動したりしている。

懐の深い大きな人間もいるし、心の狭い小さな人間もいる。

小さな人間の方が圧倒的に多いからと言って、小さな人間の

「好感度」を欲しがるような政治家や表現者には、大きな

仕事はできないのだ。

 

次の選挙のことしか考えていない、世間体だけしか考えない、

天下国家に役に立たない政治家なんか要らないんだよ。

 

山尾志桜里は次回の選挙のことなんか考えていない。

今回も落選したら政治家を辞める気でいた。

当選したから、3期目は「憲法」「子育て」「皇統」と

自分の「使命」を定めて全力で戦い抜く。

その結果を評価されるかされないかは、選挙区の民度次第だ。

多分、愛知7区はまた山尾志桜里を選ぶだろう。

捨て身で戦うのが山尾志桜里だと、いずれ分かるからだ。

 

二人は周囲の人間(家族・支援者)を悲しませすぎと言うが、

そんなことはない。

夫婦関係のことは100通りの関係性があって、今や3組に

1組が離婚しているのだから、夫婦間だけの相性の問題で

あり、他人が介入できる余地などない。

 

高森氏が倉持の家に泊まり、母親と3人で酒を飲んだらしい。

凄い知的な母親だったそうだ。

今回のスキャンダルが原因で夫婦関係が破たんしたなんて

言ったら、家族の方々が侮辱だと言って怒るだろう。

他人の夫婦や家族のことを悪くしか考えられないのは、

自分の家族が脆くて壊れやすいからだろう。

 

山尾志桜里の優秀さを感じられないのは、自分の能力の限界

だからだ。

他人を批判するときは、自分の哲学や知性、自分の人間関係

や、自分の感情のバランスなど、自分自身が問われてしまう。

他人を批判する者は、自分の好感度を実は下げてしまっている

ことに気が付かなければならない。

小林よしのり

昭和28年福岡生まれ。漫画家。大学在学中にギャグ漫画『東大一直線』でデビュー。以降、『東大快進撃』『おぼっちゃまくん』などの代表作を発表。平成4年、世界初の思想漫画『ゴーマニズム宣言』を連載開始。『ゴーマニズム宣言』のスペシャル版として『差別論』『戦争論』『台湾論』『沖縄論』『天皇論』などを発表し論争を巻き起こす。
近刊に、『卑怯者の島』『民主主義という病い』『明治日本を作った男たち』『新・堕落論』など。
新しい試みとしてニコニコ動画にて、ブロマガ『小林よしのりライジング』を週1回配信している。
また平成29年から「FLASH」(光文社)にて新連載『よしりん辻説法』、平成30年からは再び「SPA!」(扶桑社)にて『ゴーマニズム宣言』、「小説幻冬」(幻冬舎)にて『おぼっちゃまくん』を連載開始し話題となっている。

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