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小林よしのり
2017.11.26 02:19日々の出来事

児童漫画のプロにとって児童は神聖だ


「るろうに剣心」は、わしも単行本を3冊持っている。

その作者が児童ポルノ所持で起訴されるらしい。

児童の裸が好きだったそうな。

 

漫画家が時々、児童に対するふしだらな事件を起こすと、

つくづく情けなくなる。

確かに見せしめで警察に発表され、世間の非難を浴びる

気の毒さもあるが、相手が児童だと庇えない。

 

もちろん18歳未満の娘との援助交際や買春は、言語道断

だが、児童ポルノ所持もタブー感が強すぎて理解できない。

 

才能があるのにどうして?とも思うし、児童に妄想を

膨らませるのも内心の自由かもしれない。

そこから名作や芸術が生まれる可能性もゼロではないから、

表現者としては100%ダメだとも言い切れない。

 

だが、少年ジャンプはやっぱり猥雑でも健全な児童漫画を

発表する媒体なのではないだろうか?

わしが少年ジャンプでデビューして、その誇りも持って

いるから、不愉快で残念である。

 

児童漫画を描くプロフェッショナルが児童に猥褻目線を

持つことが理解できない。

わしは児童漫画でデビューしたので、子供全般に愛着が

あるし、児童漫画を描かなくなっても、児童にはプロと

して手ごわいという対等な意識もあるし、守ってやりたい

という慈愛の念も持っている。

だから薬害エイズ事件のときも、全力で応援したのだ。

 

児童に対する猥褻目線は一番理解できない感覚だ。

同業者に強く批判もできないし、ただ情けないと言う

しかない。

 

小林よしのり

昭和28年福岡生まれ。漫画家。大学在学中にギャグ漫画『東大一直線』でデビュー。以降、『東大快進撃』『おぼっちゃまくん』などの代表作を発表。平成4年、世界初の思想漫画『ゴーマニズム宣言』を連載開始。『ゴーマニズム宣言』のスペシャル版として『差別論』『戦争論』『台湾論』『沖縄論』『天皇論』などを発表し論争を巻き起こす。
近刊に、『卑怯者の島』『民主主義という病い』『明治日本を作った男たち』『新・堕落論』など。
新しい試みとしてニコニコ動画にて、ブロマガ『小林よしのりライジング』を週1回配信している。
また平成29年から「FLASH」(光文社)にて新連載『よしりん辻説法』、平成30年からは再び「SPA!」(扶桑社)にて『ゴーマニズム宣言』、「小説幻冬」(幻冬舎)にて『おぼっちゃまくん』を連載開始し話題となっている。

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