秋篠宮家の眞子内親王殿下は小室圭さんとの記者会見の席上、
次のように発言された。
「幼い頃より、結婚するときは皇族の立場を離れるときである、
という意識を持って過ごしてきました」と。
このご発言に対し、毎日新聞編集委員の江森敬治氏が
以下のように述べている。
「私は『ええ』と驚嘆しました。
…皇室制度の見直しは大切だが、当事者の意向も重たいし、
ないがしろにはできない。
眞子さまの声を聞く限りでも、『女性宮家』創設に向けた
ハードルはかなり高く、より皇族方のお気持ちに沿った皇位の
安定的な継承方法を、早急に考えるべきではないか」と。
回りくどい言い方だ。
具体的にどんな「安定的な継承方法」があり得るのか。
「当事者の意向も重たいし、ないがしろにはできない」というのは、
当たり前。
だから私は、かねて女性宮家創設への制度改正は、
次世代の最初の内親王でいらっしゃる、眞子殿下の
ご誕生“前”に成し遂げておくべきだった、と繰り返し強調して来た。
そうでなければ当然、内親王方は今の制度を前提に
ご自身の生涯を想定して、お育ちになるからだ。
特に「驚嘆」する事ではない。
制度変更が遅れれば、思春期も過ぎて突如、
皇室典範の改正により、必ずしも「当事者の意向」に
十分沿わない形で、人生が全く変わってしまう事になりかねない。
新しい制度によって、それまで予想されていた、
ご結婚と共に国民の仲間入りをされ、あらゆる自由と権利を
享受される人生を断念し、皇族の身分のまま女性宮家の当主として、
皇室にお留まり戴くようにお願いする。
それは率直に申して、かなり「残酷な」事態と言わねばならない。
私自身は、20年以上も前から女性宮家創設を唱えて来た。
それでも眞子殿下のご誕生後。
だが、もし速やかに典範が改正されていたら、
内親王方もそうした制度を前提にご自身の将来を見据えて
戴けたはずだ。
しかし、政府・国会の怠慢、不見識と国民の無関心の結果、
制度改正には一切手を着けないまま、今日に至ってしまった。
もはや単純な二者択一しか残っていない。
皇室の存続の為に、内親王方にはご無理を承知で、
女性宮家の創設にご理解を戴くか、将来、皇室には
(今の皇族方のなかで)悠仁殿下お1人だけが残る事に
なるのが予め分かっていても、現在のまま放置するか。
そのどちらかを選ぶしかない。
勿論、前者もご本人にご同意戴けない場合は、
最終的に「当事者の意向」を尊重する以外ないだろう。
江森氏のような皇室に詳しいはずのジャーナリストですら、
眞子殿下のご発言に「驚嘆」されたとは。
意外だ。
少しでも当事者のお気持ちを想像すれば、
ごく自然な事ではないか。