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高森明勅
2017.11.5 21:00

田久保忠衛氏の提言

外交評論家で日本会議会長の田久保忠衛氏。

憲法改正は9条2項に手を着けるべし、
と提言されている(『
SAPIO』11月・12月号)。

「(9条)2項を残したままの加憲案に対しては
保守層からの厳しい批判があ
り、率直に言えば物足りない」

「自民党が大勝した今、安倍首相は“本来の安倍”に戻ってもらい、
加憲ではなく、
9条2項削除に踏み込んでもらいたい」

「米国が内向きになれば、同盟国の安全保障に空白が生じるが、
それは自分の力で埋めろというのがトランプ大統領の考え方だ」

有事の際に米国人の血を流してまで、日本を守ってくれるのか」

北朝鮮が核実験、ミサイル発射を繰り返すたびに安倍首相は
圧力の強化』を訴えてきたが、それで解決できるのか」

日本も敵基地攻撃能力はもちろん、
核武装についても堂々と議論すべき局面を迎えている」

北朝鮮問題の解決と引き替えに、かねて中国が主張している
新型大国関係』を米中で事実上実現する可能性は否定できない」

米中が『新型大国関係』を結べば日本にとって最悪の事態となる。
この情勢下で日本は日米同盟一辺倒ではなく、中国とも良好な関係を
構築する必要に迫られてくるの
だ」

「安倍首相は早急に中国との対話を強化して、
戦略的互恵関係を再確認し、協調路線を進めなければならない」

どんなリップサービスをしていても、
アメリカはいつでも日本を“
切り捨てる”可能性がある、
という指摘だ。

他でもない、親米派の代表的な論客とされている田久保氏が、
こうした発言をされている事自体に、意味を見出だすべきだろう。

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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