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高森明勅
2017.11.5 08:00

リメンバーパールハーバー?

トランプ米大統領は底抜けに無知なのか、アタマが弱いのか。

それとも、根深い日本への悪意を抱いているのか。

本人が来日する直前で、しかも娘のイバンカ補佐官が
「奇妙」
な程の厚遇を受けた矢先のタイミングに、
ツィッターで「
リメンバーパールハーバー」と発信。

リメンバーパールハーバーは改めて言う迄もなく、
先の大戦中にアメリカ国内で、日本への戦意(!)
を高める為に使われた標語だ。

「(日本による卑劣な)真珠湾(奇襲攻撃の恨み)
を忘れるな!(徹底的に仕返しせよ)」と。

日本はあの時、日米戦争を懸命に避けようとした。

にも拘らず、アメリカが強く戦争を望み、
無理やり開戦に追い込んだのが実情。

その程度の知識は、
今となっては
アメリカの知的な国民なら誰でも備えているだろう。

しかし、そんな歴史認識の問題“以前”に、
外交マナーとして余りにも無礼ではないか。

イバンカ補佐官を全力でチヤホヤした安倍首相の面目丸潰れ。

犬の散歩をしている飼い主に取り入ろうと、
その犬を撫でたり、
誉めそやしたりしたら、
いきなり顔にツバを吐き掛けられたようなもの。

安倍首相の接待ゴルフは、果たして楽しいものになるか。

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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