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高森明勅
2017.10.14 22:30

新宿駅東南口広場の「伝説」

10月14日、新宿駅東南口広場。

立憲民主党の選挙向け演説会。

長男と2人で出掛けた。

行ってビックリ。
広場も階段も陸橋の歩道にも、
聴衆がビッシリ詰め掛けている。

どの位の人数になるのか。

見たところ、サヨク市民的な人々は余り見かけない。

むしろ、選挙演説なんて初めて、という感じの人々。

選挙用のチラシを配っている若者からして、
殆ど初めてではないか。

多分、初心者のボランティアだろうとしか思えない。

演説のトップは候補者の海江田万里氏。

真面目に喋っているのだが、至って地味。

聴衆もどこで拍手して良いか戸惑っている。

次に、何故か新右翼と言われていた鈴木邦男氏。
昔取った杵柄か。
高齢の割には(と言っては失礼か)聴衆を盛んに焚き付ける。

三番手は、小林よしのり氏。

私が言うのも何だが、選挙向け演説会にしては、
弁士の選び方が「右より」
に偏っているのではないか。

だが、紹介された時点で、聴衆は「おー!」という反応。
拍手もひと際高い。
この時に「
ひょっとしたら集まっている人達の多くは保守系?」
と疑う。
小林氏の演説が始まる。
聴衆が多過ぎて私には姿がよく見えなかった。
だが、
息子に聞くと、
「よしりんの身振り手振りが
凄い」と。
聴衆の盛り上がりが半端ではない。
小林氏は「
安倍政権がやっている事は決して“保守”ではない!
むしろ枝野氏こそ保守だ!」と叫ぶ。
ここで、
多くの聴衆が拍手喝采をする。
(やはり聴衆の多くは保守系か)
と感じさせる。
サヨクならこんなところで“受ける”はずがない。
終始ハイテンション。
天性のアジテーターかと思わせる演説。
しかし、ひょっとしたら小林氏は「街頭」演説なんて
初めではないか。
それでここまで出来るのか(
やるのか)。
「小池と前原には腹を切らさなければならない!」
と絶叫。
万雷の拍手。

長男は「ヒトラーを彷彿とさせた」と。
私も若き日には“街頭演説の天才”と言われていた。
でも、
今日の小林氏には、足元にも及ばないだろう。

最後は枝野幸男氏。

静かに語り掛けるように始まった演説は、
何度も高揚し、
聴衆の心をしっかり掴んだ。
私の前にいた初老の男性や、
横にいた40台(恐らく)の女性など、
多分、
初めて選挙演説を聴きに来たような人たちが、終盤には
涙ぐんでいた。

長男など、その姿に感銘していた。

私も見事な演説をされた弁士もさる事ながら、
あの場にあれだけ多数の「普通」の人達が、
あれだけ熱心に参加されていた事実そのものに、
心を打たれた。

日本もまだ捨てたものではない。

久しぶりに「希望」を実感出来た。

今日、この場から、新しい“伝説”が始まる。

そんな予感を抱かせた。

後で聞くと、長男は生まれて初めて
立憲民主党に政治献金をしたとか。

貧乏人のくせに。

そこ迄、共鳴する何かがあったのだろう。

但し、新宿の小選挙区(東京1区)の候補者は海江田万里氏。

間違って「枝野幸男」とか「小林よしのり」
と書いてしまう人がいないか。

それが心配だ。


高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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