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高森明勅
2017.10.10 22:00

アウフヘーベン

アウフヘーベン(Aufheben)。

私などの世代だと“懐かしい”言葉。

若い世代には、逆に新鮮な印象を与えるかも知れない。

元々、ドイツでの日常用語としては
「上へあげる、拾い(取り)上げる、
助け起こす」
「保管する、保存する」
「中止する、終了する」
廃止する、破棄する、取り消す」
「相殺(そうさい)する、
平均する」などの意味。

しかし、日本では専ら哲学用語として受け入れられ、
「止揚」とか「揚棄」
と訳されている。

近代最大の哲学者と言われるヘーゲルの用語法に基づく。

矛盾する諸契機の統合的発展」
とか
「低次の段階での矛盾を、
高次の段階で統一解決すること」
などと説明される。

この言葉を、改憲論の整理に無理やり当てはめると、どうなるか。

これまで、改憲論で良質なものは、
わが国の「自立」「真の主権回復」
を求める為に、
憲法の改正を主張していた。

それはナショナル(民族的、国民的)な価値を基調とする。

そこへ普遍的、リベラル的価値に立脚した新たな改憲論が、
颯爽と(!)
登場した。

両者は一見、矛盾し、対立するようだ。

しかし、果たしてそうか。

そもそも、明治における帝国憲法の制定自体、
性格の異なる(ある意味では矛盾し、対立する)2つの課題への
「統一解決」
だったと言えよう。

1つは、欧米列強による植民地化を免れ、
不平等条約の改正を目指すという、「国権」的要請
それはナショナルな価値に立脚)。

もう1つは、自由民権運動が求めた国民の権利の保護という、
「民権」的要請(
こちらはリベラルな価値に立脚)。

これら2つの(立脚する価値においては対立的な)要請に
“一挙に”
応えようとしたのが、帝国憲法だった。

ならば現憲法の改正でも、ナショナルな価値とリベラルな価値の
「統合的発展」
を求める立場が当然、成り立ち得るはずだ。

独立主権を事実上、持ち得ていない
(従って、民主制も立憲主義も、
十全には機能し得ない)
国の国民には、
リベラル的価値の確かな保障は決して与えられない。

一方、憲法そのものがリベラル的価値を守る為に“こそ”
生まれた以上、
それを度外視した改憲論も又、十分な説得力を
持たないだろう。

ナショナル改憲論とリベラル改憲論のアウフヘーベン
何だか無駄に片仮名が多くなってしまった。
しかも英語とドイツ語がゴッチャ)。

これぞ「真の憲法改正」が目指すべき方向性ではないか。
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権力と共謀して何がオモロイねん!

平成29年11月12日(日)午後2時 から
『大阪研修センター 江坂』 にて開催します。

「大阪研修センター 江坂」
(住所:大阪府吹田市江坂町1-13-41 SRビル江坂)は、
JR新大阪駅から地下鉄御堂筋線で4分、または地下鉄梅田駅より9分、
地下鉄御堂筋線『江坂駅』 から徒歩1分です。
「1番出口」から出て、そのまま北へ直進です。


「大阪研修センター 江坂」のHPにて、場所をよくご確認の上、ご来場下さい絵文字:重要
(HP掲載の、駅から会場までの地図を印刷し、持参されることをオススメします )

詳しくは、 “ こちら ” でどうぞ。

1112日(日曜)「第3回・関西ゴー宣道場」を開催する。

お題は『権力と共謀して何がオモロイねん!』

ゲストとして「共謀罪」の国会招致で、わしの隣に座っておられた
京都大学の
高山佳奈子・刑法教授を迎える。

 

わしはこの日本の高信頼社会で、もうこれ以上、
権力を
強化する必要はないと直感している。

これは表現者としての直感で、「内心の自由を裁く」と

聞いただけで、不愉快になる。

不愉快にならない奴は表現者ではない。

表現者の発想は「自由」を母体として生まれる。

 

「テロ等準備罪」と法案の名前を変えただけで、
可決される
適当さ加減も気に入らない。

 

「中間報告」という強引な手段で通過させる「熟議無視」の

国会運営も気に入らない。

 

そもそも、あの金田法相の幼児のような答弁で、
重大な法案を
審議していてよかったのかという巨大な疑問が
いまだに
消えない。

 

頻繁にテロが起こっている国ならまだしも、
一回も起こって
いないテロに怯えて権力の肥大化を許す
日本人の脆弱さが
全然気に入らない。

 

済んだことだと忘れてしまうわけにはいかない。

一体、権力は何が望みなのか?

国民はなんでこんなに権力に従順なのか?

現在の国家権力の方向性と、国民の性向に重大な危険が

潜んでいるのではないか?そこを考えたい。

総選挙後の政局についても、当然、議論になるだろう。
『権力と共謀して何がオモロイねん!』

このテーマで、自由自在に議論しようと思う。

なにしろ大阪での開催やから、笑いは忘れたらあきまへん。

 

参加申し込みの締め切りは111日(水曜)だ。

今回は期間があまりないぞ。あと3週間やで!

当日、道場の入場料は、お一人様1000円です。


参加ご希望の方は、このweb上の申し込みフォームから申し込み可能です
絵文字:重要絵文字:パソコン

上 ↑ のメニュー「道場参加申し込み」もしくは下 ↓ の申し込みフォームバナー(画像)
クリックして、申し込みページにお進み下さい絵文字:よろしくお願いします
入力必須項目にご記入の上、お申し込み下さい絵文字:重要絵文字:メール

申し込みフォーム

お申し込み後、記入されたメールアドレス宛に「申し込み確認メール」が届きますので、
ご記入内容に間違いがないか、よくご確認下さい。

※「申し込み確認メール」が届かない方は、以下のような原因が考えられます。

・迷惑メール対策サービスを利用していて、「ゴー宣道場」からのメールが迷惑メールと判定されている
・着信拒否サービスを利用していて、「ゴー宣道場」からのメールが着信拒否の対象となっている
・ドメイン指定受信を利用していて、「gosen-dojo.com」のドメインが指定されていない
・セキュリティソフトやメールソフトで迷惑メール対策をしていて、 「ゴー宣道場」からのメールが迷惑メールと判定されている

reply@gosen-dojo.com」からのメールを受信できるよう再設定をお願い致します。

「申し込み確認メール」が届かない場合、当選メールも届かない可能性がありますので、
ご注意ください絵文字:重要


申し込み〆切後、当選された方にのみ「当選メール」を送らせて頂きます。

当選された方は、道場当日、
その「当選メール」をプリントアウトの上、会場までご持参下さい。
プリントアウトができない方は、当選メールの受信が確認できるもの
(携帯電話、タブレット等)をお持ちの上、ご来場ください。

 道場参加申し込みフォーム

応募〆切 は 平成29年11/1(水) です。

当選通知の送付は、応募〆切後になりますので、しばらくお待ち下さい絵文字:よろしくお願いします

皆様からの多数のご応募、お待ちしております絵文字:重要絵文字:晴れ

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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