ゴー宣DOJO

BLOGブログ
トッキー
2017.9.16 01:30ゴー宣道場

設営隊長から、切通さんのこと。

ゴー宣道場設営隊長
和ナビイさんからの投稿を
ご紹介します!



 今日、とっても面白い本を読み終えました。
上原正三・著、現代書館・発行の
「キジムナーKids」です。この本を以前、
切通さんが紹介されていて興味がわいたのです。
(新聞に書評が掲載されたとのこと)

 上原正三は、ウルトラマンシリーズの
作家でもあり、かの金城哲夫の伝記
「ウルトラマン島唄」の著者。金城氏と
同期にウルトラマンに関わってきた方です。
 「ゴー宣スペシャル・沖縄論」に登場した
金城哲夫はとても印象的でした。
氏と同郷でともに歩んだ上原正三が
伝える金城を知りたくてだいぶ前に
同書も読んだことあります。

 「キジムナーKids」は子供達の目から見た
沖縄、「目から」というより戦中戦後の
過酷な沖縄で、文字通り生活(生きて活きる)
する子供達を描くこと自体がワクワク
してきます。これも独自の切り口の
「沖縄論」と思いました。
—それを感じ取って紹介された切通さんの
感性に感謝しています。
あとがきの最後に上原氏は「切通理作さん
には度々激励をもらった。深く感謝します。」
と記されていました。
 また、切通さんのお母様は15歳の時に長崎で
被爆しておられ、昨年でしたか「15歳の被爆者」
という本をクラウドファウンディングで出版
しておられます。被爆者本人の心理がこちらの
思い込みと違ったことにまず驚き、個を以て
学ぼうとし戦後を生きる一女性の姿が
描かれていました。
息子が母親への≪よき反応者≫となって丁寧に
話に耳を傾け、意識していなかったことも
引き出す、そしてともに長崎を再訪し、
そこに編集者が立ち会うという形で進められた
企画。出版記念のトークイベントには
上京し拝聴しました。
 もう90歳に近いお母様は切通さんに容貌も
よく似ておられ、深い教養をお持ちの方でした。
今年7月の「核兵器禁止条約」採択の際、
唯一の被爆国日本のとった非常識な態度(※)
に対し、被爆者当人の立場から抗議のブログ
を即アップしておられました。
(※交渉会議にすら参加しなかった
ライジングVol.236
「核廃絶運動の先頭に立て!」
参照)

 さて、ここから今回のことです。
切通師範の件は残念ですが、今日(15日)の
氏のブログにある通り、これは互いに仕方ない
判断と思いました。というか、こんなふうに
「師範会議」を経て、事態を受け止め
考えられて離脱を表明する—苦しい中
誠意ある態度をとられたと存じます。
とても責めるような気持にはなれません、
敬意を持ちます。

 これまで退いていった方々はおられましたが、
きちんと自分の言葉で皆に述べて辞めて
いかれた方はいません。表向き「忙しいから」
「他に用事があるから」云々というような
感じで道場から去っていかれました・・・
(私的)プライドの傷、複雑な悲憤もあったことは
想像するに難くありません・・・。

 「そりゃいろいろな考え方はあるんだから」
と相対化してしまうような言い方もあるで
しょうが、私は違うと思います。
どこまでも【公】に軸足を置いて言動を
していくのは生半可な覚悟ではできない
“力”が要るのではないでしょうか。
「名声に関係なく、私的プライドを切り捨てて
いく勇気」とも言い換えらると思います。

 また、「【公】とは何か」を基準に
思考するのが、最も“安定して楽”な
精神状態でいられるのではないかと
道場に参加するうちにだんだん
思うようになりました。
【私】の確認欲が(一般には)普通の状態。
オレオレの承認願望に突き動かされる
ままだと、一層苦しむ方向に迷って
いってしまう・・・と。

  人はいろいろな蓋を持っていて、
ひょんなことでパカッと制御できずに
開いてしまうことがあるのでは
ないでしょうか。その人の持っていた
見せたくない蓋が開いてしまうことって
ないでしょうか(・・アタシあります;;)。
「悲憤」という言葉がありますが、
「憤り」には必ず「悲しみ」が伴う
気がします。
 逆に良き反応者に恵まれると本人でも
気づかなかった新たな蓋が開くのを
目の当たりにすることは何度もあります。
(子育ての中、またゴー宣道場でも
起こると思います。)

 欠けた部分、クセのある部分、表に見えない
いやな部分も込みで人はできている、
作家・アーティストは特にそうで、
非凡さも独特の味もそれ抜きでは
あり得ないように感じます。
 だからこそよしりん先生は承知の上、
深い所での信頼(寛容)があり、切通氏の
心に響くことを期待して「排除しない」
と仰っているのだと思います。
(こんなこと言うのは僭越至極ですが;)

 よしりん先生の凄いところは、
「感知する—フィードバックする—表現する」
のサイクルが、巨大な車輪のように高速で
ブンブン回っていることだと思います。
物事に対しても人物に対しても、
もちろん師範に対しても。
—そして我々読者に対してもです。



「キジムナーKids」絶対読むつもりだけれども
なんとなくAmazonで買うのが気が進まなくて、
まだ入手もしてません。今度買いに行こう。
こういうものを紹介したり評論したりしてくれる
ところが切通さんの存在の有難いところで、
今後も動画を通じて知らなかった面白いものを
教えていただけると思います。
結果的に、今回の決断がよかったと
振り返れるようにしたいものです。

トッキー

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