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笹幸恵
2017.9.15 17:05

軍トリ、今回は学徒出陣です

「軍トリ」配信されました。

テーマは

 『学徒出陣にいたるまで

 ~徴兵のしくみってどうなってるの?』

ちょっと前の話になりまして恐縮ですけれども絵文字:冷や汗

 

8月12日の東京新聞に載っていた

三浦瑠麗さんの記事、

「大日本帝国が本当の意味で変調を来たし、
人権を極端に抑圧した総動員体制だった
のは、1943(昭和18~45年のせいぜい
2年間ほどでした」

について、各方面からいろいろツッコミがありました。

一連の文章で私自身が感じた大いなる違和感を

整理してみたのが、今回の「軍トリ」です。
で、この機会に徴兵のお話と学徒動員のお話も
しちゃおーーー、というわけです。

 

いずれにせよ、歴史はぶつ切りにして
捉えることはできません。

ずっと連続しています。

私たちの生活が、ある日突然、

ガラリと変わることがないのと同じように、

過去だって少しずつ色々なことが積み重なり、

気づいたら「こうなっていた」と言えるわけで、

それが明確になったとき、初めて教科書に載るような

「出来事」として後世に残ります。

 

多分、今朝のJアラートは歴史の教科書には載らないでしょう。

でも今後頻繁になっていくかもしれません。

五年前には想像もしなかった事態ですが、私たちは何も変わらず、

政治も結局は何も変わらないのなら、

私たちは「ああ、またJアラートだ」と慣れていくだけでしょう。

米国が軍事行動を起こしたとき、
初めて教科書に載る「出来事」となる。

しかしこの間、書かれていないからと言って、
何もなかったわけではない。

北朝鮮はミサイルを撃ちまくり、Jアラートはそれを知らせていた。

軍事行動は戦闘の始まりではあるけれど、見方を変えれば

教科書に載らない日々の事態が積み重なった“結果”でもあります。

総動員体制も同じこと。

「本当の意味で変調を来し」の「本当の意味」が不明ですが、

少なくとも、いきなり変調を来したのではありません。

大日本帝国の総動員体制は、

日々のわずかな変化が積み重なった“結果”です。

 

表面化した事象のみを捉えて語ろうとすると、

どれほど現実を見誤るか、三浦さんの記事は

それを教えてくれています。

 

詳しくは、「軍トリ」をどうぞ!

視聴はコチラ

笹幸恵

昭和49年、神奈川県生まれ。ジャーナリスト。大妻女子大学短期大学部卒業後、出版社の編集記者を経て、平成13年にフリーとなる。国内外の戦争遺跡巡りや、戦場となった地への慰霊巡拝などを続け、大東亜戦争をテーマにした記事や書籍を発表。現在は、戦友会である「全国ソロモン会」常任理事を務める。戦争経験者の講演会を中心とする近現代史研究会(PandA会)主宰。大妻女子大学非常勤講師。國學院大學大学院文学研究科博士前期課程修了(歴史学修士)。著書に『女ひとり玉砕の島を行く』(文藝春秋)、『「白紙召集」で散る-軍属たちのガダルカナル戦記』(新潮社)、『「日本男児」という生き方』(草思社)、『沖縄戦 二十四歳の大隊長』(学研パブリッシング)など。

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