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高森明勅
2017.9.13 09:30

マツコ・デラックスとマックス・ウェーバー

家内が好きな女装タレントのマツコ・デラックスさん。

先頃、山尾議員の不倫疑惑を
巡りこんな発言をされたようだ。

ちょっと叩き過ぎだよと思う。
悪口をみんなで陰で言い合って、
楽しませて貰っているから有難う
で終わらせればいいのに、
その人の人生を終わらせてしまうぐらい、
根こそぎやっちゃうじゃない、いま。
陰口叩くにしてもお洒落になって欲しい」と。

バランス感覚のある発言だろう。

その人の人生を終わらせてしまうぐらい、
根こそぎやっちゃう」
という辺り、
ついマックス・ウェーバーが提起した

「(原始刑罰における)内部的刑罰」
という概念を連想してしまう。

ある呪術的規範、たとえば、
タブー規範のごときが侵害され…
それにたいし、
共同体の成員は、呪術者や司祭者に勧誘されて、
追放(平和喪失)により、
リンチ裁判(たとえば、
ユダヤの石の撃殺…)により、
あるいは、
宗教的贖罪手続によって反撃する。
宗教的違反は、『内部的刑罰』
の根源であった」
(ウェーバー『法社会学』)

“内部的刑罰”の最大の特徴は
「無制約的な即決の制裁であり、
法に拘束されるという理由をもたない」
(石尾芳久氏)

という点にある。

恐るべき野蛮さだ。

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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テーマ: ゴー宣DOJO in大阪「天皇は双系が伝統である!」

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