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高森明勅
2017.9.10 22:00

充実した教師塾

先日の日本教師塾研修会。

「偉人」をテーマに3人の先生方がモデル授業を行った。

トップバッターはT先生。

ご自分が最近、実際にクラスで実践されたばかりの授業の紹介。

何と小学1年生に、台湾で神と祀られる日本人
「義愛公(
森川清治郎)」を教えるという、
無謀とも思える挑戦。

しかし、女性の先生らしく手製の義愛公の指人形を
教室に持ち込み、
見事に成功させている。

人形1つで、
子供たちにとって遥かに遠いはずの歴史上の人物が、
一気に身近になり、会話ができる距離に実在する“血の通った”
存在になる。

舌を巻いた。

次は、私がかねて「教育の天才」と評価するK先生。

今回も天才振りを発揮した。

小学低学年向けに、数多くの「偉人の名言」を紹介。

自分が気に入った名言を、教室の中に設けた
それぞれのブースで、
児童自身に一定のフォーマット
に沿ってプレゼンをさせる。

相手は、
その名言に興味を持ってブースを訪れた、
同級生たち。

授業の様子を映像で観た。

子供たちが実に楽しそうだ。

もう大騒ぎ。

彼らにとっては“最高の遊び”ではないか。

楽しく面白いほど、本人に定着する。

まして自分で説明すればなおさら。

教育効果の点でも完成度の高い授業だ

この先生のクラスは、
どの学年を受け持っても、
いつも元気で明るい。

基本は子供たち1人1人を「主役」にさせる。

その為の仕組みをよく考えた授業だ。

あるいは本能的な勘なのか。

ちなみに、
彼のクラスの児童はみんな、
午前中の授業で声を出したり、
身体を動かしたりしてお腹を空かせる為、
給食の時には他のクラスで余った食べ物も
全部かき集めるとか。

K先生のクラスの児童は幸せだ。

ラストのW先生は地元の教育界でも指導的な立場。

今回は「重光葵(しげみつまもる)」
を取り上げられた。

丁寧に組み立てられ、
歴史のうねりを実感出来る授業。

終盤、声涙共に下る感動的な場面で締め括られた。

強く印象に残る。

さすがにレベルが高い。

私からは、
重光外務大臣(当時)が昭和30年に、
在日米軍を12年以内
(陸軍は6年以内、
海空軍はそれから6年以内)
に撤退させる要請を行っていた事実を、補足した。

その後、私の講義。

内容については機会があれば改めて。

平素、多忙な先生方がせっかくの休みを
返上しての自主的な研修会。

濃密な中身になった。

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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